Googleがスマートフォンのニューモデル「Pixel 8a」を発表しました。Pixel 8・8 Proと同じを搭載しながら、カメラなどの仕様を変更することで価格を抑えた端末で、前身と言えるPixel 7aよりも少し高くなってしまいましたが、それでも購入しやすい価格に抑えられています。
1.スペック
スペック表
Pixel 8a | |
OS | Android 14 |
CPU | Google Tensor G3 |
RAM | 8GB |
ストレージ | 128GB/256GB |
ディスプレイ | 6.1インチ(2,400x 1,080)120Hz |
LTEバンド | 5G:n1/2/3/5/7/8/12/20/28/38/40/41/ 66/77/78/79 LTE:B1/2/3/4/5/7/8/12/17/18/ 19/20/21/28/38/39/40/41/42/66 |
SIM | nanoSIM + eSIM |
ネットワーク | 802.11a/b/g/n/ac/ax、Bluetooth 5.3 |
入出力 | USB Type-C |
カメラ | イン13MP/アウト64MP + 13MP |
バッテリー | 4,492 mAh |
サイズ | 152.1 x 72.7 x 8.9 mm |
重量 | 188 g |
コメント
搭載OSはAndroid 14です。Pixelシリーズはリファレンスモデルという立ち位置でもあるので、オープンソースで公開されている、「素の」Android OSに準じたUIを採用していますが、後述するAI関連の機能など独自の機能も備わっています。Pixel 8・8 Proと同じく、アップデート保証期間は最大7年に延長されているので、Pixel 8aの場合2032年にリリースされるAndroid 23まで提供される予定です。
さすがに7年使った場合、先にバッテリーのほうが寿命を迎えることになりそうですが、端末性能が向上して長く運用できるようになっていることを踏まえると、長期的にソフトウェアアップデートが提供されるのは安心できます。
SoCはGoogle Tensor G3です。AnTuTu Benchmark v10での総合スコアは約80万点程度と、数値だけを見ると他社フラッグシップモデルで採用されているSnapdragon 8 Gen 3に劣っていますが、ハイエンドクラスの端末に搭載されているSoCはオーバースペックになった印象もありますし、Pixel 8aを使用していて不満に感じる場面は少ないものと思われます。
RAMは8GB、内蔵ストレージは128/256GBです。Pixel 7aまでは128GBモデルしか選択できなかったのですが、Pixel 8aではようやく256GBモデルが選択できるようになりました。
ディスプレイは6.1インチサイズとPixel 8(6.2インチ)よりも少しだけ小さく、解像度はFHD(2,400 × 1,080)です。パネルにOLED(有機EL)を採用し、リフレッシュレートはPixel 7aの90HzからPixel8・8 Proと同じ120Hzに変更されています。強化ガラスはCorning Gorilla Glass 3です。
カメラはイン13MP、アウト64MP(メイン) + 13MP(超広角)です。Pixel 8のアウトカメラは50MP(メイン) + 12MP(超広角)なので、画素数だけ見るとPixel 8aのほうがスペックアップしているように見えますが、自然な色合いを再現するスペクトルセンサーや照明のちらつきを抑えるフリッカーセンサーが省かれています。
AIを活用した「消しゴムマジック(写真に写り込んだ背景・人物を削除できる機能)」や編集機能はPixel 8aでも使用可能です。強力な夜間撮影も健在で、Pixel 8aのカメラ性能も期待出来そうです。
モバイルネットワークは4G・5Gともに国内4大キャリアの通信バンドをフルカバーしています。オープンマーケットモデル、キャリアモデルともに物理SIM(nanoSIM)とeSIMをサポートしているので、用途に応じて回線を使い分けることも可能です。
Pixel 8aではGoogleアシスタントに変わる新たなAIアシスタント、「Gemini」を利用でき、文章作成やアイデア探しや、Gmailアプリで受信したメールの要約などをサポートしてくれます。
バッテリー容量は4,492 mAhで、USB PDによる急速充電とワイヤレス充電(qi)をサポートしています。日本独自機能であるおサイフケータイ(Felica Type-F)もあり、モバイルSUICA・PASMOやマイナポータルといった各種サービスを利用できます。
2.筐体
前面にはPixel 8と同じくディスプレイ上部にパンチホールノッチが配置されていますが、ベゼルが太くなっている点が気になります。Pixel 7aまでは狭額縁ベゼルを採用していたので、このデザイン変更は少し残念に感じました。
背面はPixel 8・8 Proと共通です。バックカバーはガラス素材ではなく、リサイクルプラスチックを76%使用した複合素材が用いられていますが、低価格端末でよく見られる安っぽさは感じられません。
筐体色は「Aloe」「Bay」「Porcelain」「Obsidian」から選べます。Pixel 7aで設定のあった「Coral」が廃止されてしまいましたが、新たに加わった「Aloe」はその名の通りアロエをイメージした色合いで魅力的に感じました。
3.価格など
Pixel 8aは5月14日よりGoogleストアでオープンマーケット版の販売が開始され、価格は税込72,800円からです。キャリアモデルとしてドコモ、au、ソフトバンクでも販売されます。
前モデルのPixel 7aの販売価格が税込62,700円だったので、1万円値上げされてしまいましたが、Googleストアでは5月21日までPixel 7aやiPhone SE(第3世代)などの端末を下取りに出すことで最大32,800円のキャッシュバックを受けられるキャンペーンを開催しているため、条件によってキャッシュバックされる金額は異なるものの、128GBモデルであれば実際には約4万円程度で購入できます。また、Pixel 8aを購入すると次回以降Googleストアで利用できる2万円分のストアクレジットが付与されます。
アップデート期間が7年間に延長され、長く使えるようになったPixel 8aはAndroidスマートフォンを初めて使用するユーザーから最新OSを最速で使いたいパワーユーザーまで、広く愛される端末になりそうです。
4.関連リンク
Pixel 8a:Googleストア