
Blackviewのタフネススマホ「FORT 5」の実機レビューです。タフネススマホながら薄型・軽量に仕上げられており、街なかでも使えそうなサイズ感を実現した製品で、背面には108MPという高い画素数のカメラと、暗闇でも鮮明な写真撮影が可能なナイトビジョンカメラを搭載しています。
なお、このレビューはメーカーからのサンプル機の提供を受け、実施しています。
・タフネススマホとは思えない薄さと軽さ
・前面50MP/背面108MPの高画素数カメラ
・暗闇でも鮮明な写真撮影ができるナイトビジョンカメラ
・Doke OS 5の多彩な独自機能
ここはイマイチ
・スピーカーがモノラル
・薄さの代償として、バッテリーが5,000 mAhと小さめ
0.おことわり
先日来、中国メーカーのタブレット製品にマルウェアが混入しているとの情報がありましたので、レビュー機についても「Anti-virus Dr.Web Light」にてスキャンをしたところ、上記の通りアドウェア (とアプリ側が判断したもの)が検出されました。Blackviewによれば「技術部門が調査した結果、これは自社開発の機能であり、異常なものではないと判断するが、ユーザーの懸念を考え、近日中にOTAアップデートを実施する。実施日が確定次第連絡する。また、本件をレビュー記事に掲載しても構わない。」とのことでした。
なお、本件で表示された「Adware.BlackPush.1.origin」はDr.Webが独自に使用している「検知名」であり、この名称が表示されたことのみをもって当該コードが確定的にマルウェアであると断定できるものではありません。
以上、私見を交えず、事実のみを報告いたします。ウインタブとしては、この経緯を踏まえ、読者に事実関係を報告の上、レビュー記事を掲載する判断をいたしました。
1. スペック
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| OS | DokeOS 5.0 (Android 16ベース) |
| SoC | MediaTek Helio G100 |
| RAM | 12GB (LPDDR4X、拡張機能により最大36GB) |
| ストレージ | 256GB (UFS2.2) |
| ディスプレイ | 6.78インチ (2,460×1,080) 120Hz |
| LTEバンド | FDD:B1/2/3/4/5/7/8/12/13/17/18/19 B20/26/28A/28B/66 TDD:B38/40/41 |
| 無線通信 | 802.11 a/b/g/n/ac、Bluetooth 5.2 |
| ポート類 | USB Type-C、microSDカードリーダー IRブラスター |
| カメラ | 前面50MP/背面108MP+13MP ※背面13MPはナイトビジョンカメラ |
| バッテリー | 5,000mAh |
| サイズ | 178.4✕83✕10.7 mm |
| 重量 | 248 g |
| タフネス性能 | IP68/IP69K、MIL-STD-810H |
2. 外観
同梱物です。レビュー機のACアダプターはEUプラグでした。日本から購入する場合は日本仕様のもの、もしくは変換アダプターが付属するはずです。ACアダプターの出力は33W、FORT 5は最大33Wの急速充電に対応しますので、それに見合う出力になっています。
画像中央上にあるのはSIMイジェクトピン…いやイジェクト工具です。FORT 5はタフネススマホのため、通常のSIMピンではなく、この工具を使ってSIM/microSDスロットを開きます。その下に充電用のUSB Type-C – USB Type-Cのケーブル、画像右には取扱説明書があります。取扱説明書は日本語を含む多言語で書かれていました。
前面です。ベゼル幅を見やすくするために (背景が白の)設定メニューを開いています。一般的なスマホと比較するとベゼルは太め、タフネススマホとしては悪くない太さだと思います。前面のノッチはパンチホール型です。
背面です。「メカっぽい」雰囲気ですが、これらは「模様 (プリント)」です。質感が安っぽい、という感じではありません。
上側面です。左側に穴のようなものが見えますが、これはIRブラスター (赤外線リモコン)です。テレビなどの家電製品のリモコンとして使えます。自宅のテレビ (東芝製の10年くらい前のものです)で試してみたところ、電源のオン/オフ、チャンネル切り替え、音量調整はできましたが、消音など一部の操作が機能しませんでした。実際にどの家電製品でうまく使えるのかは何とも言えません。
下側面です。こちらにはUSB Type-Cポートとスピーカーがあります。FORT 5のスピーカーはモノラルです。
右側面の中央に電源ボタン、右側に音量ボタンがあります。電源ボタンは指紋センサーを兼ねています。私がテストした限り指紋の認識精度は十分なものでした。
左側面です。左側にSIM/microSDスロット、中央にスマートキー (ユーザーが好みの操作を割り当てられるカスタムキー)があります。
SIM/microSDカードスロットは同梱物のところで説明した通り、引き抜き工具をSIM/microSDスロットに引っ掛けて外します。特に大きな力とかコツはなく、単に「溝に引っ掛けてこじ開けるだけ」です。
3. システム
ホーム画面 (画像左)とアプリ一覧画面 (画像中と左。画面内に収まるよう、ウインタブで画像を切り貼りしています)です。
プリインストールアプリは多いほうですね。AIトークやImageX、SmartArt、Soundleといった、Doke AIと称するAI系アプリが多数含まれます。ただ、これらのアプリは基本的に有料のものが多く (無料トライアル可)、また、ChatGPTやGoogle Geminiをはじめ、類似の大手サービスと競合する内容のものがほとんどなので、個人的にはあまり有効とは感じられません。製品を購入されたらご自身で既存のサービスと比較 (AIトークであればChat GPTなどと比較するなど)してみると良いでしょう。
システム情報とストレージ情報です。特にコメントはありませんが、初期状態でRAMは物理RAM12GB+拡張分5GB (拡張する容量は変更可能です)、ストレージは約20GB (8%)が使用済みでした。なお、ストレージに関してはCPU-Zにても容量を調べ、「223.81GB」と表示されることを確認済みです。
画像右は設定メニューの一部です。標準的なAndroid OSとはメニューの並び順や項目名が異なりますが、日本語化はほぼ完ぺきと言え、使っていて迷うケースはほとんどないと思います。
本体左側面にある赤いボタン「スマートキー」の設定画面です。スマートキーはクリック、ダブルクリック、長押しと3種類の押し方があり、それぞれに機能呼び出しのショートカット (画像中)とアプリ起動 (画像右)を割り当てることができます。
私は当初、クリックに「フラッシュライト点灯」を割り当てていましたが、クリック (単押し)はテーブルに置いたFORT 5を持つ際などに意図せずに押してしまうことがあり、その都度ライトが点灯してしまうので、ダブルクリックにフラッシュライト点灯を割り当てるようにしました。そのため、個人的には「クリックには何も割り当てず、ダブルクリックと長押しにのみ操作割り当てをする」が使いやすいかな、と思いました。
DRM InfoでWidevineのセキュリティレベルが「L1」であることを確認しました (画像左)。また、動画サブスクリプションサービスの中でも比較的要件が厳しいと思われるNetflixでも「L1」になりました (画像右)。
4. カメラ
FORT 5のカメラは前面50MP、背面108MP (メイン) + 13MP (ナイトビジョン)です。SoCにHelio G100を搭載する中位クラスのタフネススマホとしては高い画素数になっており、この製品のセールスポイントのひとつと言えます。
カメラアプリは撮影モードに「108MP、動画、画像 (普通の写真)、美顔、ナイトモード、プロ、スローモーション、ポートレート、パノラマ」といった多彩なモードがありますが、設定項目はかなりシンプルです。ただし、別画面で「手ぶれ補正 (動画のみ)やグリッド線、ウオーターマークといった項目もあります。また、プロモードではISOやホワイトバランス、フォーカス設定など、細かな調整が可能です。
撮影サイズは静止画が前面/背面とも12MP (4:3)、9MP (16:9)、9MP (1:1)、7MP (20.5 : 9)、動画が前面FHD (1,920✕1,080)とHD (1,280✕720)、背面2K (2,560✕1,440)、FHD、FHD 60fps、HDです。ズームは静止画/動画とも背面カメラのみ最大8倍まで (前面カメラはズーム機能なし)です。
なお、前面50MP/背面108MPについては「別モード」という扱いでプロモードやパノラマなど他のモードは使えず、ズームなどの機能はありません。以下に「背面12MP・初期設定のまま」で撮影した写真を何枚か掲載します。なお、記事掲載用に画像サイズを1,200✕900に縮小しています。



「普通にキレイ」だと感じますが、やや色が淡く感じられるものもありましたし、白っぽく感じられるものもありました。ただ、この製品はプロモードがあり、細かく手動調整が可能なので、凝った写真撮影も可能だと思います。

2倍ズーム

8倍ズーム
ズームも2倍程度であればキレイに撮影ができます。最大倍率の8倍ズームだと「望遠鏡のかわり」くらいでしょうか。

暗闇でも鮮明な写真が取れるナイトモードです。屋外でも試しましたが、街なかだと「逆に真っ暗な場所が少ない」ので、自宅内で撮影したものを掲載します。この際「照明をつけないと全く何も見えない」くらいの場所で撮影しました。画質は粗いですが、非常にはっきりと撮影ができました。
5. 性能テスト

Antutu Ver.11のスコアは約57.9万点でした。ウインタブではまだAntutu Ver.11の測定データが少ないのですが、NanoreviewにHelio G100搭載機のスコア64件が掲載されており、それを見ると最も高いスコアが60.2万点、最も低いスコアが48.9万点、平均スコアが56.5万点なので、FORT 5のスコアは「Helio G100搭載機としては標準的」と言えるでしょう。ちなみにNanoreviewにあったAntutu Ver. 10のスコアは約43.0万点で、Helio G99のスコア約42.2万点よりも「若干高い」程度です。この程度の差であれば実用面での体感差はほとんどないと思います。
6. 使用感
ここでは上に掲載したカメラ以外の使用感について感想を述べます。
薄さと軽さ
FORT 5は厚さが10.7 mm、重さが248 gです。一般的なスマホと比較すると薄型軽量とは言えませんが、タフネススマホとしては「かなり薄く、かなり軽い」です。しばらく持ち歩いてみた感想も「数値通り」と言いますか、「確かに少し重いけれど、タフネススマホであることが意識されない」です。また、タフネススマホという性格上、ケースを使わない (付属品でもない)ケースが多いと思うので、厚さ10.7 mmというのは分厚いとは感じないでしょう。メインスマホとして街なかでも使えるサイズ感だと思います。
ディスプレイ
発色品質は高く、個人的には色味のクセも感じられませんでした。また、設定メニューに「色温度と画面最適化」というのがあり、「通常、鮮明、プロ (色温度を手動で調整できる)」がありますが、「通常」のままでも問題がないと感じましたので、ここはお好みに合わせて調整すれば良いと思います。
FORT 5のリフレッシュレートは120Hzで、設定メニューに調整項目はありません。開発者オプションでリフレッシュレートを表示させたまま使ってみたところ「操作時に120Hz、しばらく操作しないと60Hz」になるようです。そのため「ゲームプレイ中は120Hz表示、動画視聴時には60Hz」になりますね。常時120 Hzだとバッテリー消費が激しくなりますし、簡易的な手法ではありますが、これで正解かと思います。上でも説明した通りWidevineはL1で、NetflixアプリでもL1と表示されました。よって、ほとんどの動画サブスクリプションサービスでHD以上の画質で視聴ができるものと思われます。
スピーカー
FORT 5のスピーカーは下側面のUSB Type-Cポートの横に1つのみ、モノラルです。音質は悪くありませんが、横持ちで動画視聴をする際などには音の出どころが不自然 (右側もしくは左側から音が聞こえる)ので臨場感はありません。もちろん普通に動画やゲームにも使えますが、できればステレオにしてほしかったところではあります。
7. まとめ
Blackview FORT 5はAliExpressのBlackview Global Storeに製品ページがあり、3月8日16時 (日本時間)までの期間、発売記念セールを開催中で、セール価格は219.99ドル (36,379円)です。なお、この価格は製品ページにある10ドルOFFクーポンを使用したものです。
レビュー期間中、キャンプに行く予定を立てることができず、アウトドアでの使用感を試せなかったのが残念です (3月中に2回ほどキャンプに行きますので、その際に試し、別途記事を書く予定です)が、タフネス系ガジェットに長年取り組んできたBlackviewの製品なので、タフネス性能については全く不安はないものと思います。
一方で「普段使い」については、とにかくサイズが「薄く、軽く、全然タフネススマホの感覚ではない」ので、個人的には全く違和感がありませんでした。モバイル5G通信に対応しないミッドレンジ機ですが、街なかで使うメインスマホとしても向いていると思います。
あとは冒頭にお知らせしたマルウェアの懸念について、ご自身でよくご検討ください。この件については私としてもいろいろ思うことはありますが、この記事では把握できた事実関係を淡々とご説明するに留めました。…とりあえず私は来週キャンプにFORT 5を持っていきます。
8. 関連リンク
2014年にサイトを開設して以来、ノートPC、ミニPC、タブレットなどの実機レビューを中心に、これまでに1,500本以上のレビュー記事を執筆。企業ではエンドユーザーコンピューティングによる業務改善に長年取り組んできた経験を持ち、ユーザー視点からの製品評価に強みがあります。その経験を活かし、「スペックに振り回されない、実用的な製品選び」を提案しています。専門用語をなるべく使わず、「PCに詳しくない人にもわかりやすい記事」を目指しています。
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