ASUSが6インチサイズのハイエンドスマートフォン「ROG Phone ZS600KL」を発表しました。「ROG」とは「Republic Of Gamers」のことで、ASUSのゲーミングPCに使われる製品ブランドです。しかもHPのOMENやDELLのALIENWAREと同じく、ローエンドのゲーミングPCにROGブランドは使われていません。ということは、この新製品、スマホでありながらハイスペックなゲーミングマシンでもある、ということです。
1.スペック
OSはAndroid 8.1をベースにした独自UI「ROG UI」が搭載されます。この製品には「Xモード」というのがついてまして、「バックグラウンドの全てのメモリを一度解放。メモリをゲーム専用にし、ゲームデータの処理性能を最適化して、AeroActive Cooler(後述します)装着時の冷却効果を最大化する」ことができます。つまり、ゲーム最優先モードですね。
CPUはハイエンドスマホではおなじみのSnapdragon 845ですが、「オーバークロック」されてまして、通常の845は最大2.8GHzとなっているところ、この製品は最大2.96GHzです。性能面では日本で購入できる現行機の中で最強と考えていいと思います。
RAMは8GB、ストレージは512GBと、もはやスマホとは思えないくらい(私のメインPCはRAM4GB/ストレージ128GBです)の大容量です。microSDスロットは装備されませんが、さすがに512GBあればSDはいらんだろうと思います。またRAMはLPDDR4X、ストレージはUFS 2.1と高速な規格です。
ディスプレイは6インチの有機ELで、最近流行のノッチタイプではありません。しかし、リフレッシュレートは90 Hzと高速なものになっています。また、入出力ポートは通常の配置に加え、側面にも用意されます(後述します)。
ウインタブ読者の人であればこのスペック表を見て「ハイエンドなのね」ということはわかると思いますが、私はこの製品の「さらにすごいところ」は筐体品質と専用の周辺機器にあると思います
2.筐体
最近のスマホはみんなそうですが、前面は「ほぼディスプレイだけ」なので、ROG Phoneといえども特にすごいギミックがあるという感じではないです。しかし、背面はさすがに凝ってますね。
この製品は筐体側面に「超音波タッチセンサー(AirTrigger)」があります。画面タッチだけだと複雑な操作をする際に「親指が死ぬ」と思いますが、この製品なら安心かもしれません。
背面は右側(この画像だと下側)が少しえぐられた感じになっていて、独特の個性があります。また、背面にもゴリラガラスがコーティングされているそうです。それと、この画像の下側の側面にポートがあるのがわかります。メーカーによれば「サイドマウントコネクター(48ピン)」で、USB Type-Cと周辺機器の接続に対応するとのことです。
本体の冷却システムも新設計で、「GameCoolシステム」というものが使われています。
さらに「AeroActive Cooler」という外付けパーツが同梱され、さらなる冷却効果を生み出します。この結果、ROG Phoneでは「どんなに激しいアクションやグラフィックスでもスムーズに動作する」冷却性能を実現しています。
AeroActive Coolerを装着した状態でもUSB Type-Cポートとオーディオジャックが利用可能です。ポートがこの位置にあれば、充電しながらのゲームプレイでもケーブルが邪魔になりにくい、というメリットもあります。
ROG Phoneのパフォーマンスであれば、このように外部ディスプレイやキーボード、マウスを使っての本格的なゲームプレイをやりたくなりますよね。
そしてこれ。もはやスマホではなく、ゲーム専用機という感じです。
ROG Phoneの魅力は、豊富な周辺機器(別売り)が揃っており、上の画像のように多くの周辺機器を接続したり、物理的なゲームコントローラーを接続したりできるという点です。ほんとうに「もはやスマホの範疇を越えている」という気がします。
3.価格など
ASUS ROG Phone ZS600KLは11月23日の発売予定で、ASUS Storeでは現在予約注文を受け付けています。11月16日現在の予約価格は119,500円(129,060円)で、周辺機器の価格は下記のとおりです。
Mobile Desktop Dock: 22,800円(24,624円)
TwinView Dock: 34,800円(37,584円)
Gamevice® for ROG Phone: 8,980円(9,698円)
ASUS Professional Dock: 11,980円(12,938円)
ASUS WiGig Display Dock: 34,800円(37,584円)
ROG Phone Case: 4,580円(4,946円)
※カッコ内は税込み価格
なお、これらのオプション品と専用のスーツケースがセットになったコンプリートセット(税込み215,460円)というのが販売されましたが、「先着30名限定」ということで、すでに完売となっています。
本体だけで13万、オプションをフルセットで購入すると軽く20万円を越えてしまいますので、「さすがに高い」とは思います。しかし、私のように「パソコン」をデバイスの中心に据えている人間にとっては高く感じますが、最近の若い人(例えばうちの子)だと「スマホ」がデバイスの中心になっていて、「パソコンはいらない」と言い切る人もいますし、妥協なきゲーマーももちろんたくさんいますので、そういう人にとっては高いお金を出しても欲しい製品かと思います。
この記事を書いていて、中華スマホの「DOOGEE S70」を思い出しました。S70もゲーミングスマホですが、CPUはHelio P23ですし、全体的なスペックもROG Phoneには遥かに及びません。そのかわり価格もROG Phoneの1/4です。
DOOGEE S70のスペックだと、すべてのゲームアプリが快適に動くとは考えにくいです。でもROG Phoneならほぼすべてのゲームがサクサク動くでしょう。妥協せずにゲーミングスマホを作るとこうなるのだ、ということなんでしょうね。この製品をどう評価するかは人それぞれだと思います。
コメント
なんかよくわからないけど夢がありますね
こんにちは。私もそう思います。そう思うんですけど、やはり20万円ということならPCを買っちゃうかな。
本気で欲しいです
Xiaomi Black Shark Heloとどちらにしようか
こんにちは。トランスフォーマーみたいに周辺機器をいろいろ取り換えて使うとか、私もやってみたいです。