こんにちは。かのあゆです。GoogleがAndroidの最新バージョンである「Android 8.0”Oreo”」を正式発表しました。すでにオープンソースで公開されているAOSP版はソースコードを公開しており、Google Nexus 5x/6p、Pixel、Pixel C、及びセットトップボックスであるNexus Playerにはベータテスト参加ユーザー向けに正式版を配布済みです。それ以外の上記機種ユーザーにも今後数週間以内に配信が開始される予定となっています。
なお日本でもSIMフリーモデル、キャリアモデルともに販売されていた「Nexus 5x/6p」に関してはOSのメジャーアップデートサポート期間の関係で本バージョンが最終バージョンになるものと思われます。
目次
ピクチャー・イン・ピクチャー
Android 7.0”Nougat”では2つのウィンドウでアプリを同時に起動できる「マルチウィンドウ」を新たにサポートしましたが、Android 8.0”Oreo”ではさらに小さなウィンドウでYouTubeなどの動画を同時再生できる「ピクチャー・イン・ピクチャー」機能を新たにサポートします。
すでにiOSではiPad向けに先行して実装されている機能ですが、これによりブラウザやMicrosoft Word Mobile、GMailなどのアプリを起動しながら小さなウィンドウ内で動画を再生できるようになっています。
通知をカテゴリでまとめられる
Android 8.0 Oreoではアプリの通知関連の機能も強化されており、通知をカテゴリでまとめられる「通知チャンネル」機能が新たに追加されています。これにより、例えば個人向けの通知を「個人用」のカテゴリにまとめ、仕事用の通知は「業務用」カテゴリにまとめるといったことが可能となりました。またカテゴリ内で通知の非通知や重要度の設定が個別に設定できるようになっています。
ホーム画面のショートカットから通知を確認できる「通知ドット」
Android 7.1.1”Nougat”ではホーム画面からアプリアイコンを長押しすることにより、サブメニューを表示できるようになりましたが、Android 8.0”Oreo”ではこの機能が拡張され、通知をショートカットとして表示できるようになりました。
起動速度がより高速に
Android 8.0”Oreo”では前バージョンであるAndroid 7.1.x”Nougat”よりさらに起動速度が高速化されています。Googleのリファレンス端末であるGoogle Pixel(日本未発売)においてはAndroid 7.1.2”Nougat”と比較して2倍ほど起動が高速化されているようです。
OS標準のセキュリティ機能が強化
Androidは他モバイルOSと比較すると悪意のあるマルウェアを含んだアプリに遭遇する確率が非常に多いプラットフォームとなっていますが、Android 8.0”Oreo”ではセキュリティ機能が強化され、OS上に不正なプログラムが存在しないかチェックする「Google Play Protect」機能が搭載されました。
ただし、この機能自体はAndroid 8.0”Oreo”としての新機能というわけではなくGoogle Play 開発者サービスの更新によってAndroid 7.1.2以前の端末でも利用できるようになります。
Bluetoothでもハイレゾレベルの音楽を楽しめる“LDAC”コーデックのサポート
Android 8.0”Oreo”では新たに”LDAC”コーデックのサポートが追加されます。これは、ソニーが開発した無線通信規格「Bluetooth」用のオーディオコーデックの一種で、無線通信でありながらハイレゾレベルの音質を実現できるのが特徴となっています。
ソニー・モバイルが販売している「XPERIA」シリーズではAndroid 4.4“Kitkat”のころから独自でサポートされていたのですが、あくまで利用できるのは「XPERIA」シリーズに限られていました。このコーデックが「Android 8.0”Oreo”」においてはOSレベルで標準サポートされることになるため、「XPERIA」以外のスマートフォンでもLDAC対応ヘッドフォンを利用して高音質な音楽をBluetoothヘッドフォンで楽しむことができるようになります。
低価格端末で動作する軽量版「Android Go」
Android 8.0”Oreo”以降では新興国向けに搭載RAMが512MB~1GBクラスの、いわゆる「ローエンド」端末でも快適に動作するように最適化された軽量版である「Android Go」が新たに登場します。
すでに2014年に登場したAndroid 4.4”Kitkat”でもCPU性能が低かったり搭載RAMが少ないローエンド端末でも快適に動作するように調整されていましたが、これをより推し進めて新興国向けの専用バージョンとして分離した形となります。
また、Google Play Storeではデータ容量やアプリ容量を抑えた「軽量版」アプリを優先して表示するようになっています。ただし、あくまで新興国向けに用意されており、日本では1万円台で購入できるローエンドクラスの端末でも搭載RAMは2GBクラスのものが増えてきているため、国内で搭載されることはないと思われます。
「Zenfone 4」や「Moto Z2Play」など一部端末ではすでにアップグレード確定済み
Android 8.0”Oreo”は8月22日に開発者が自由に改変できるオープンソースのコード(部品)を公開しているため、すでにカスタムROMなどを自由に開発できる状態になっています。
各種メーカーなどもこれから既存の端末やこれから販売される端末への検証を開始するものと思われ、SIMフリースマートフォンではすでに先日発表されたASUSの「Zenfone 4(2017)」及びその前モデル「Zenfone 3」、Motorolaの「Moto Z2 Play」はAndroid 8.0”Oreo”にアップデートすることを正式に発表しています。
そのほかソニー・モバイルが発売している「XPERIA」やSamsungが販売している「Galaxy」シリーズでも近いうちにアップデートされる端末が発表されるものと思われますが、全体的に普及するのはやはり次期バージョン(Android”P”)が発表される2018年夏ごろあたりになると予想します。
中華スマートフォンではアップデートに積極的なXiaomiやElephoneなどがAndroid 8.0”Oreo”に対応するものと思われ、特にElephoneはすでにAndroid 8.0”Oreo”を今後発表する端末に搭載することを正式に発表しています。
劇的な変更点は前バージョンであるAndroid 7.x”Nougat”と比較すると少ない印象ですが、それでも起動速度の高速化やピクチャー・イン・ピクチャーのサポートなど便利な機能が追加されており、今後のアップデート予定端末や新規搭載端末の発表を楽しみに待ちたいところです。
また2014年にリリースされた「Android 4.4”Kitkat”」ではネスレとのタイアップでキットカットを購入するとNexus 7(2013)が当選するというキャンペーンを行っており、日本でも展開していたことから今回も何らかのタイアップが期待できそうな予感がします。
関連リンク
Android 8.0 “Oreo” : Google
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