こんにちは、かのあゆです。Googleが「Android 13」の初期開発者向けプレビュー版「Android 13 Developer Preview 1」をリリースしました。Windows/Mac/Linux環境で利用できる開発環境「Android Studio」に含まれているエミュレーターで利用できるシステムイメージのほか、Pixelシリーズ向けのファクトリーイメージの配布も開始されています。
目次
1.注意点について
現時点では「ベータ版の前の段階」の早期プレビュー版となるため、ブートローダーアンロックを伴うファクトリーイメージのみ配布されており、OTA経由でアップデートできるようになるのは「ベータ」の段階になってからになります。ブートローダーアンロックを行うとGoogle、および販売キャリアの保証対象外となり、端末のデータを初期化する必要があります。
また、あくまで「早期プレビュー版」のため、動作が非常に不安定となる可能性があるほか、アプリによっては正常に動作しないものもありえます。以前のプレビュー版では日本国内向けPixelに搭載されているおサイフケータイが一時的に無効化されたこともありますので、メインで使用している端末への導入はお進めしません。
2.対応機種について
今回Android 13 Developer Preview 1をインストールできる端末は以下の通りとなります。
Pixel 4
Pixel 4 XL
Pixel 4a
Pixel 4a 5G
Pixel 5
Pixel 5a
Pixel 6
Pixel 6 Pro
Pixel 3a/Pixel 3a XLは現時点ではアップデート保証対象となっていますが、それが2022年5月で終了となるため、Android 13から対象外となっています。ベータ版になった段階でPixelシリーズ以外のスマートフォンでも導入できる端末が増えるものと思われますが、現時点でインストールできる端末はPixel 4以降のGoogle Pixelシリーズに限定されています。
なお、Android 12のときは日本国内でもSIMフリー版AQUOS sense 5Gにベータ版が提供されています。
3.新機能について
現時点ではまだ製品版(正式リリース版)で予定されているすべての機能が搭載されているわけではなさそうですが、現行バージョンとなるAndroid 12では「Material You」と呼ばれる新デザインを採用し、久々にUI面でも大幅な変更が行われたこともあり、Android 13では再び細かい部分の改善に徹している印象があります。
「Material You」カスタムアイコンがサードパーティアプリでも利用可能に
Android 12では前述の通り「Material You」と呼ばれる新デザインがUIに採用され、壁紙の色に合わせてロック画面や通知領域などの色が変わる「ダイナミックカラー」機能が新たに搭載されます。アプリアイコンの色合いやデザインなどもテーマに沿ったものに変更されるのですが、現時点でこれが反映されるのはGoogle純正アプリに限定されています。
Android 13ではこの機能の対象がサードパーティアプリにも拡大され、対応するアプリであればテーマに合ったアイコンデザインに変更されるようになります。
システム言語とは別にアプリ単体で言語変更が可能に
現在のAndroid OSではアプリの言語設定は一部を除きシステム設定に準じています。例えば言語設定を日本語に設定している場合、アプリも日本語で利用する形になっていますが。Android 13ではシステム言語とは分離してアプリ単体で言語を切り替えることが可能になります。
例えばAndroid 13では「システム言語は英語だけどChromeは日本語で使う」ということもできます。海外で販売されているスマートフォンの中には日本語ロケールが搭載されていないものも存在しますが、Android 13であればそのような端末でも使用したいアプリの言語設定を日本語に切り替えてアプリを利用できるようになります。
プライバシーを強化した新しいフォトピッカー
Android 13ではプライバシー保護関連の機能も強化され、新しい「フォトピッカー」(選択アプリ)が搭載されます。
写真や動画などを共有するアプリを使用する際、新しいフォトピッカーを使用することにより、端末にすべてのメディアファイルを表示する権限を許可しなくても端末やクラウドに保存されている画像や動画を安全に共有できるようになります。
4.コードネームについて
Androidでは2008年にリリースされた「1.5 Cup Cake」から2018年にリリースされた「9 Pie」までお菓子にちなんだコードネームがつけられていましたが、Android 13では「設定→端末情報→Androidバージョン」で確認できるバージョン情報が「13」ではなく「Tiramisu」となっています。
おそらく早期プレビュー版ということで暫定的にこうなっているだけかと思われますが、Android 13のコードネームは“ティラミス”で確定のようです。お菓子の名前がコードネームになるのも久々なので、このまま製品名として復活しても良さそうではあるのですが・・・
5.まとめ
現時点ではまだ「ベータ版の前段階の開発者向けプレビュー版」ということで、製品版に実装される予定の機能がすべて搭載されているわけではありませんが、いまのところ現行バージョンのAndroid 12と見た目的な変化は少なく、「細かい使い勝手を調整したバージョン」と感じられます。Android 9 PieからAndroid 11に至るまでこの方針でアップデートされていったので、今回も似たような方針なのかもしれません。
Android 13は4月までに数回開発者向けプレビュー版がリリースされた後、5月に一般ユーザーも対象にしたベータ版の提供が開始され、今秋中に正式版がリリースされる予定です。
6.関連リンク
Android 13 Developer Preview 1:Android Developer