
こんにちは、natsukiです。約半年前のレビュー以来、すっかり惚れ込んで毎日のように使い倒している、手書きノート特化型AndroidタブレットXPPen Magic Note Padですが、いつのまにか専用キーボード「XPPen フォリオキーボード」が発売されていました。これは買わねば! ということで、早速購入して使ってみています。
先に結論を言ってしまうと、そもそもXPPen Magic Note Padは、基本的にペン入力で完結する製品なので、必ずしもキーボードの必要性は高くありません。しかし、もともと個性的な製品であるXPPen Magic Note Padに合わせたキーボードだけに、随所に面白い工夫も見られます。うまく使い方がハマれば、XPPen Magic Note Padの可能性をさらに引き出す可能性も秘めています。
なお、私はAliExpressの「xp-pen Official Store」で購入したため、国内販売とは、多少同梱品などが異なる可能性があります。その点はご注意ください。
XPPen Magic Note Padの初回レビューと、約半年使い込んでの長期使用レビューは、下記をご覧ください。




目次
1.基本的な仕様
キーボードとスタンドの基本的な機能を見ていきましょう。
外観


XPPen フォリオキーボードの外観です。ペン収納部分に合わせて穴が空いています。


XPPen Magic Note Padに装着した状態です。


デフォルトのカバーは完全にペンを覆う形状でしたが、フォリオキーボードはご覧のようにペンがむき出しになります。もっとも、キーボードにそれなりの厚みがあるので、カバンに雑に突っ込んだりしても、ペンだけ分離してしまう心配はありません。
スタンド機能


タブレット本体の固定は、デフォルトのカバーがマグネット貼り付け式なのに対して、このフォリオキーボードははめ込み式で固定します。従って、頻繁に着脱するのには向きません。ここは個人的に惜しいところです。


スタンドの角度は、2段階。また、固定部分は溝だけでなくマグネットで貼り付くため、安定性が高くなっています。ここにはマグネットを装着しているんですよね。
キーボード


キーボードは、英字配列です。ちゃんと縦に6列ありますが、最上段は基本的にご覧のようなメディアキーで、Windowsのファンクションキー(F1~F12)のような機能は持ちません。それでも、「Delete」キーがあるだけでずいぶんと使いやすいものです。なお、形状からしてタッチパッドはありません。


各国言語のステッカーが付いてきました。上記のように、私はAliExpressで購入したので、多様な言語のステッカーがついてきていますが、国内販売だと日本語だけになるかもしれません。


記号部分にステッカーを貼った状態です。


キーピッチは手採寸で17.8mm(キー10個で178mm)。フルサイズの19mmよりわずかに小さいですが、まあ、許容範囲で十分打てます。
接続はBluetooth
接続はBluetooth5.4です。よくあるピン接続ではありません。これ、なにげに重要なことで、要するに、タブレットを分離した状態でも使えます。この利便性については後述します。


物理的に接続するわけではないので、キーボードの電源は、スイッチです。また、スイッチの隣に、充電用USB Type-Cポートがあります。
頑張っている重量


こちらは、デフォルトのカバー装着時での重量。約750gです。


そしてこちらが、XPPen フォリオキーボード装着時の重量。約880gと、キーボードが追加されながら130g程度の増量に抑えています。これはなかなか頑張ったと言えるでしょう。
2.使ってみて分かるポイント
十分に打てる打鍵感
キーピッチは、先述のように17.8mm。フルサイズではないものの、さほど窮屈さを感じずに打つことが可能です。打鍵感は、モバイルキーボードとしてはこんなものというところでしょう。特段快適というわけではありませんが、十分に長文を打てます。
キーボードを分離して使用可能 ― タブレット縦置きも
キーボードの接続はBluetooth無線接続です。このため、必ずしもケースに装着しなくても、キーボードを使用可能です。この利点は2つあります。


第1に、イラスト作成タブレットとして使う場合に、いわゆる「左手デバイス」として利用可能なこと。Androidのイラストアプリは、Windowsほどにはショートカットキーの利便性が高くはありませんが、それでも、うまく使えばやはり便利なものです。そして第2に、画像のように縦置きで使えること。ただ立てかけているだけなのでバランス的にはわりとギリギリで、お世辞にも安定感があるとは言いがたいのですが、XPPen Magic Note Padは、やっぱり縦向きで使ってこそしっくりくるんですよ! これ、できればマグネット式固定で、横にも縦にも固定できたらというのが理想なんですが、ともかく、とりあえず縦向きで使えます!
余談ですが、デフォルトのカバーを付けた状態で立てかけると、さすがに重量オーバーでひっくり返ります。
なお、残念ながらマルチペアリングではないため、スマホに切り替えて使ったりはできません。
タブレットとしての使用は、もちろんやりにくい


純粋なタブレットとして使う場合は、スタンドの折り目が多少バタつくことや、なによりキーボードが指に引っかかるので、当然、デフォルトのカバーの方が使用感に勝ります。追加重量は約130g増量とかなり抑えられているとはいえ、あきらかにひとまわり重くなることもあり、手持ちで多用するのには向きません。
このように、デフォルトのカバーとフォリオキーボードとは、状況によって使い分けたいので、やはりタブレット本体との固定は、着脱による摩耗の少ないマグネット式にして欲しかったところではあります。
XPPen Magic Note Padのアンチグレアディスプレイは、オフィスワークとの相性はよい
XPPen Magicシリーズは、反射を抑えたアンチグレアディスプレイを採用しています。動画視聴では不利な一方、ノートやオフィスワークとは相性のよいディスプレイです。そういう意味では、キーボードを使う作業に向いているとも言えます。
3.価格は……
XPPen フォリオキーボードはXPPen公式ストアで販売中、記事執筆現在の価格は12,800円です。本体とまとめ買いで10%OFFの11,520円になります。ちなみに、XPPen Magic Drawing Pad専用キーボードのXPPen スマートキーボードACK08の単品価格が10,800円。えーっと、正直なところ、かなり値が張りますね。まあ、そりゃ、iPad用純正キーボードに比べれば安いのかもしれませんが。ちなみに私は、AliExpressの11月のセールで、色々と割引を駆使して購入したので、これより安く購入しています。
なお、Magic Drawing Pad専用「XPPen スマートキーボードACK08」も購入してレビュー記事を書いていますので、適宜ご参照ください。



4.まとめ ― 必須アイテムではないが、可能性を広げてくれるのは確か
はじめに述べたように、まずXPPen Magic Note Padは、何よりもペン入力に特化したノートタブレットであり、その製品コンセプトに沿って使用する分には、キーボードの必要性は高くありません。
一方で、XPPen Magic Note Padの特性に合わせたキーボードにはちゃんとなっていて、次のような利点があります。
・キーボード付きカバーとしては、軽量な部類。
・イラストアプリ使用時に左手デバイスとして使える(キーボードショートカットの利便性はアプリ次第)。
・アンチグレアディスプレイは、キーボードを使ったオフィスワークとの相性はよい。
・いちおう、縦向きでもキーボードを利用可能。
つまるところ、当たり前のことながら、このキーボードが役立つかどうかはユーザーがXPPen Magic Note Padをどう使うかにかかっているわけですが、もともとが尖ったタブレットなだけに、人によっては救世主となり、人によっては無用の長物となる、評価が大きく分かれる製品だと思います。さしあたり、手書きノートタブレットとしてしか使わないなら不要、上記のような利点に利用価値を感じるなら買ってもよい、でしょう。
5.関連リンク


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