こんにちは、オジルです。今回はスマートウォッチのCOROS PACE 2の実機レビューをお届けします。こちら、少し前にウインタブでも紹介記事で掲載されている通り、スマートウォッチカテゴリの中でもガーミンやスントに代表されるようなスポーツ寄りの製品となっています。…と書くと運動する方にしか向かないと思ってしまいがちですけど、ちょっとだけ待ってください!本製品は、運動をしない方にとっても「感動的な軽さ」と「ガチっぽくないデザイン」は魅力的に感じるはずです。
そんなCOROS PACE 2、いよいよMakuakeでクラウドファンディングが開始されました。
プロ選手も愛用!超軽量・高精度GPS搭載スポーツウォッチCOROS PACE 2:Makuake
なお、レビューにあたり、メーカーよりサンプル品をご提供いただきました。この場をお借りして厚くお礼申し上げます。なお、COROSというメーカー名ですが、「カロス」と読むのが正しいそうです。
1.スペック
スペック表です。本製品はスポーツ仕様のスマートウォッチということもあり、CPUがどうとか、ディスプレイがどうとか、通常のスマートウォッチとはちょっと違った観点でチェックする必要があります。ここではざっと、主要&気になるポイントについて見ていきましょう。
まずはディスプレイですが、240×240の解像度、さらに64色となっています。一見するとチープな印象を受けるものの、調べてみると実はスポーツ向け製品ではごく当たり前のようです。というより、どの価格帯でもほぼ横一線で、本製品より高額なものでも208×208など散見されました。色数に関してはあまり○○色というものが見当たらず、見たところどの製品も同じなのかなといった印象です。以上を踏まえ、また実際に着用してランニングしてみた経験と照らし合わせてみると、反射型LCD(反射板が付いたディスプレイのイメージ)が使われているようなので、よくあるスマートバンドとはそもそもの造りが違うんですよね。直射日光下などの明るい環境であるほど視認性が高くなる、といった具合です。
そして本製品の最大の注目どころ、重量です。詳細は次項でお伝えするとして「思わず声が出てしまうくらい」軽いんです。本体+シリコンバンドでの35gの時点でもはや激軽、ナイロンバンドの29gはもう…軽すぎて何がなんだか正直分かりません。また、この軽量を実現しながらも通常使用で20日、GPSモード(運動時)で30時間の稼働を実現しているのはとても魅力的で、特にウルトラマラソンをはじめとした長時間の運動で重宝するでしょう。毎朝10キロのランニングをしてから出勤、というような方でも1週間くらいは充電なしでいけそうですね。
ほかには…ANT+というのは知っている方からすれば当たり前なのでしょうけど、恥ずかしながら私には初耳で、どうやらサイクルコンピュータなどに搭載されている規格のようですね。衛生システムについてはGPSはみなさんご承知の通りですが、GLONASSはロシア、BeiDouは中国の衛生即位システムのようです。機能面ではSpO2(血中酸素飽和度)の測定ができないという点には注意が必要です。
2.筐体
本体
外箱です。スマートウォッチというよりも、G-SHOCKのような腕時計のパッケージを連想するキューブタイプとなっています。
開梱するとこのような内容物になっています。本体とペーパー類、画像右下はステッカーです。こういうステッカー、個人的には結構好きなんですよね。画像には写っていませんけど、なんだか足りないような気がする…と思ってよく探したら、底の方に充電ケーブルが入った小箱が潜んでいました。
そして、箱から本体を引き上げる瞬間、思わず誰もいない部屋で漏れてしまった「えっ!」という言葉。軽すぎるんです。かれこれ1年近くMiスマートバンド4を絶えず身に着けて生活してきた私ですが、本体サイズやバンド幅が全然違うこともあり、実際には11g重いのにビックリしてしまいました。というかこれ、スポーツウォッチを持ったことがない方であれば、恐らくほとんどの方が私に近いリアクションをしてしまうと思います。
取り出した状態がこちら。シリコンバンドは最初から装着済みとなっています。
右側面です。厚さは手採寸で11mm、試しに手持ちのMiスマートバンド4も測ってみましたが本製品のほうが1mm薄かったですね…!画像右がリューズになっていて、これをクルクルっと回したり、押し込むことで操作します。画像左にもボタンがついていて、こちらは主に「戻る」操作で使うことが多いです。なお、左側面にはボタン類は存在しないため画像は省略します。
裏面です。中央部分は心拍センサーで、動作時には緑色のLEDが小刻みに点滅します。その右側にあるのは充電用の端子ですね。本製品、あまりにバッテリー持ちが良いため一度しか充電できていないのですが、唯一の充電では特にケーブルの脱着に困ることはなく、スムーズに行うことができました。ちなみに、充電端子を保護するキャップが3つ付属していたんですけど、充電の際に毎回どこかに置かないといけないのは少し面倒かな、小さいから紛失しそうだし…。このキャップなしでお風呂に入ったり運動したりしても今のところ特に問題は発生していません。
ディスプレイ部分です。あえてバックライトの様子を確認するために見えづらい状態にしています。本来であれば反射板と同じイメージで、蛍光灯だろうが直射日光だろうが、とにかく光が当たっている状態であればとても見やすいです。
バックライトありだとこのような感じで、明るさの調節は一切変更できません。この見え方は夜間の視認状態に近いと思います。ちなみに、手首をクルッとするとバックライトが動作する機能を搭載している製品はたくさんあると思うんですけど、本製品は元の状態に戻すとバックライトも消えます!Miスマートバンド4では一定時間点灯していたため地味に感動してしまいましたが、もし他の製品もほとんどそうだったら恥ずかしい。
そう、この感じこの感じ。…と視認性を確認しつつ、他製品とのサイズ比較です。この3つで見比べてると、一番時計っぽくてスマートな雰囲気がありませんか?Miスマートバンド4よりも縦幅は短いですし、G-SHOCKと同じサイズ感ながらも薄くて表示領域が大きいのはご確認いただけるかと思います。
こちらが本体操作でのメニュー画面になります。時計表示状態からリューズを回していくと様々な項目の確認ができます。画像右下は気圧と心拍数になるんですけど、温度や高度(画像上では割愛しています)とともに、この画面でリューズを押し込み回転させることで10分刻みでのステータスを振り返ることができます。そのほか、日の出/日没などの時刻を表示する機能もあります。
なお、下のボタン(リューズではないほう)を長押しすると、細かいメニューが登場します。ストップウォッチやアラーム、方位磁針、衛星信号測位などの機能のほか、ウォッチフェイスの変更や設定もここから行います。余談になりますが、全部書くとキリがないため随所で泣く泣く情報を削っているんですけど、衛星信号の測位中の画面は「ドラゴンレーダー」の現物を手にしたような感覚を得られ、ロマンティックあげるよと言われた気分に浸れました。摩訶不思議なことを言ってごめんなさい。
話が逸れてしまいましたが、機能や測定できる項目はとても多岐にわたっていて、ただ運動するという方に留まらず、ウルトラマラソンやキャンプをされるような方にも便利に使えそうな印象を受けました。
PDA工房の保護フィルム
さて、今回もPDA工房より液晶保護フィルムを製作していただいております。ご提供いただいたのは「高硬度保護フィルム」と「抗ウイルス」のふたつ。うーんこれは悩ましい…と悩んでいると、妻から「どうせいつも通りお風呂とかどこでも着けっぱなしでしょ?だったら抗ウイルスよりも強度重視の方がいいんじゃない?」とのありがたい(?)お言葉。「いや風呂入らない間の抗菌は…」と言いかけましたが、促されるまま高硬度タイプを装着することにしました。こういう時の第三者意見は後々になって役に立つんです、きっと。
これ、フィルム貼ってあるの分かります?よーく見るとフチの辺りに境界線が見えますけど、初見ではまず気付けないと思います(と自慢したくなるくらい綺麗に貼り付けられました)。もしかしたら二度と剥がせないんじゃないかという程のジャストサイズにはもはや驚嘆の言葉もありません。見た目を損ねることなく強度アップ、これで激しい運動にもバッチリ対応してくれそうです。そして実際に運動してみて気付いたのですが、運動中って頻繁に手を洗ったり消毒できない上、汗を拭ったりして意外と雑菌が気になるなぁ…と。後付けながらも抗ウイルスタイプが気になってしまいましたけど、様々なニーズに対応すべく幅広いラインナップが用意されているのはPDA工房の素晴らしいところですよね。
セットアップ
本体だけでもある程度の情報確認や設定は完結できるのですが、やはりアプリ連携した方がより活用できるというものですよね。というわけで早速セットアップ開始です。
スマートウォッチや活動量計で初期セットアップを行ったことがある方であれば、イメージはさほど変わらないでしょう。
この辺りも見覚えがあります。
ここも、後から変更できそうなのでそのままでいきましょう。
ここです。私、「30歳を過ぎてまずいと思って走り始めたムラっ気市民ランナー」で10年近くズルズル来てしまったタイプなので専門的な運動の知識は皆無ですけど、これはだいぶ細かくチェックしてくれそうな気配がありますね。少なくとも、これまでに使っていたMi Fitのアプリではそこまでの情報は求められなかったと記憶しています。
その後はある程度見慣れた光景です。通知設定はデフォルトの設定対象がこのような表示になっているものの、別画面で任意でアプリを選択できるようになっています。
アプリ
無事にセットアップが完了するとメニュー画面に遷移します。
スポーツ系のアプリをこれまでにいくつか使用してきましたが、ぱっと見た感じはそこまで違うような雰囲気はありません。
ウォッチフェイスはバリエーション豊富で、見たところ30~40種類はあります。
5個固定の入れ替え方式で、選抜メンバーは本体操作時の設定対象となります。さらに、本体で設定する際にはカラーリングも選択できます(全てではないと思われます)。といっても若干色味が変わる程度ですが。
こちらがある日の状況です。よーく見ると、通勤時間以外に運動はほぼしておらず、睡眠時間は結構短いですね。これはまずいなぁ。実際、思い起こすとほぼ間違いないです。あまり寝ていないのは全て私が蒔いた種。。ともあれ、こちらを見る限りでは測定の精度には期待が持てそうです。
機能として面白いと思ったのはこちら。本体操作時に筋トレで部位の選択をできるようになっているのですが、その進捗状況が可視化されるというものです。アスリートの方は特にバランスよく鍛える、もしくは不足しているトレーニングを補う目的で活用できそうです。
ナイロンバンド
29gという超軽量を実現させるナイロンバンド。こちらは本来オプション品ですが、Makuakeでのクラウドファンディングでは本体価格に含まれます。
取り付けてみたところです。一気にスポーティーになりましたね。
さらに装着するとこうなります。マジックテープで好きな位置に固定できる上、何より軽い。ただし、これはだいぶ人によると思うんですけど、私の場合「ずっと身に着けていたい派」なんです。その時点でもうシリコンバンド一択になってしまいますが、軽さを追求して0.01秒でもタイムを縮めたいアスリートにとっては重量や装着感は重要視すべきと考えています。シリコンバンドの35gもやたら軽いですし、私のような素人には6gの差は体感レベルでは計り知れないんですけどね。
3.使用感
走ってみた
本製品をレビューする上では、何より運動しないと仕方ありません。ということでコロナ太り解消のためにも走ってまいりました。
走行経路の表示です。マップ表示の有無はもちろん、航空写真の選択も可能です。右上の送信ボタンではSNSへのシェアもできますし、ランデータをcsvなどでエクスポートできるようですね。ちょっと感動です。
ペース、ピッチ、ストライドは他のアプリでもよく見ますね。ただ、かなり小刻みにデータ収集されているように感じます。
ランニングパワーは運動をスコア化したものですね。高低差についてはリアルな地形の通りに表示されています。最初の坂を下ってからしばらく平坦な状態が続いていますが、それもそのはず、海辺を走っているためデータも信頼できるというもの。また、後半では砂浜の脇を走っている時と石段の上を走っている時の高低差がしっかりと見て取れます。心拍に関してはグラフでゾーン毎の色分けがされているほか、
各ゾーンのシェアも見られるため、分析に役立つでしょう。有酸素、無酸素の振り分けも行われています。
最後にラップタイムが表示され、ここまでが一式のデータとなります。
ちなみに、本体側の操作でペースアラート(4分30秒~5分30秒ペース以外になるとバイブ)などの細かい設定ができますし、それぞれのUIも親切なので直感的に操作できます。当初は少し心配していたのですが、走りながらでも思ったよりリューズ操作が快適で、下手にタッチパネルでちゃんと操作できなくなるよりも全然良いですね。
バッテリー
先程のランニングも含めて9日前からのバッテリー消費について、グラフで表示されています。最初に傾斜が急になっているのはランニング時のGPS利用によるものですね。
あとどれくらいもつのか、という指標になるような情報も取得できます。もっと言えば、画像上にはありませんが、バックライトで○%消費した、というところまで確認できるため、自身に合わせた最適な設定を模索することも難しくはなさそうです。また、日常生活のみならメーカー公称通り20日近くの稼働は見込めます。
スマートウォッチとして(12/16修正あり)
紹介記事のウインタブ氏同様に、私も「スポーツ用途にステ(ステータス)を振ってある」製品だという見解です。ただし、決してそれは「ステ全振り」ではなく、実際に使ってみると「日常生活で全然使える」というのが率直な感想でした。着信やSNSほかの通知は受け取るのみしかできないものの、内容の確認はリューズを回せば可能ですし、運動中でも表示領域の一部を使って通知内容を表示してくれるため便利です。これは、今まで運動時に使用していたMiスマートバンド4では実装されていない機能であり、地味ながらも実はたいへん重宝する要素だったりします。惜しむらくは(不確かですけど)全角数字が文字化けでもなく空白文字として表示されてしまうのを数度経験したのと、漢字とかながガタガタに表示されるところ。割り切れば気にはなりませんけど、今後のアップデートに期待します。
リューズをクルクルさせると徐々に下へと進んでいって…
このような感じになります。このガタガタは宿命なのだろうか…。でもまあ、私は細かい内容よりも大切なのは緊急性(通知が受け取れること)だと思うので気になりませんけど。
※12/16更新※
アップデートにより、ガタガタが解消されて綺麗に表示されるようになっていました。対応が早くてビックリ!「。」の位置が少し上ですけど全然気になりません。ともあれ、更新前(上の画像)と比べると一目瞭然ですよね。こういったマイナーアップデートをこまめに行ってくれるのがユーザーファーストで素晴らしく、評価ポイントのひとつにもなってくるかと思います。
4.価格など・まとめ
COROS PACE 2は11月26日よりMakuakeにてクラウドファンディングが開始され、26日14時50分現在、最も安価なプランは21,900円(超早割価格、通常価格から28%OFF)です。 本製品は、おそらくガーミンなどのいわゆる「ガチ勢」に対して同性能で低価格を実現しているというのがウリだと予測されます。
私、カジュアル勢なのでだいぶオーバースペックな印象を受けましたけど、たしかにMiスマートバンド4とは測定性能が段違いなのは間違いないということだけははっきり分かりました。同時に、実は年内中に10キロ減目標のダイエット中でして、運動時に詳細なデータを知ることで振り返りや計画立てにとても有効であるということも再認識できました。運動時はもちろん、トップ画のようにカジュアルライン(ちなみに私の仕事着はいつもこんな感じ)でも違和感のないデザインで日常利用にも適しています。
一般的な多機能スマートウォッチと比べるとオーディオコントロールやアプリなどで制限こそあるものの、使い方さえ理解した上で使う分には大活躍してくれますよ。そして何より、同等製品群で見るとコスパは超抜群。スポーツウォッチ界に風穴を開ける存在になるかもしれませんね。