こんにちは、オジルです。外に出るたび、ワイヤレスイヤホンは当たり前のように普及したよなぁ…なんて思う今日この頃。そういえばヘッドホンをしている人はほとんど見かけなくなったような気がしますけど、実はヘッドホンも着実に進化しているんですよね。さて、今回はどこかで見たことがありそうなロゴの「Cleer」が手がけるワイヤレスヘッドホン「Enduro 100」の実機レビュー記事をお届けします。
私はあまり通勤時や休日に外で音楽を聴く習慣がなく、もっぱらランニング中や在宅時の「ながら聴き」がほとんどです。ましてやヘッドホンなど、ここ数年振り返ってみても使用するのは健康診断くらい。レビューのオファーをいただいた際は正直「ヘッドホンかぁ…使う機会あるかな?」くらいに考えていたんですけど、なかなかどうして、使ってみると印象が一変するもの。まさに「百考は一行にしかず」の製品でした。
なお、レビューにあたりメーカーよりサンプル品を提供していただきました。この場をお借りして厚くお礼申し上げます。
1.スペック
ドライバー:40mm アイアンレスドライバー
Bluetoothバージョン:5.0
対応コーデック:SBC、AAC、aptX HD
対応プロファイル:SPP、A2DP、AVRCP、HFP
充電端子:USB Type-C
再生時間:100時間
充電時間:3時間
重量:280g
何といっても目を引くのは100時間を誇る大容量バッテリーですね。さらに急速充電にも対応しており、万が一バッテリーが切れても10分間の充電で12時間の再生が可能(メーカー公称)です。コーデックはAACやハイレゾ相当のaptX HDにも対応します。充電端子のUSB Type-Cは付属の3.5mmプラグ変換ケーブルを使うことで有線での利用も可能となります。ちなみに本製品はノイズキャンセリング機能は有していません。ただし後述しますが、イヤーパッドがしっかりと遮音してくれるため没入感は高いように感じました。
ペアリングはBluetoothのほか、NFCにも対応します。私の環境ではNFC搭載機器を所持していないためテストすることができませんでしたが、NFCをよく使う方にとっては便利と言えるでしょう。
2.筐体
まずは同梱品から。ケーブルはふたつ、充電用のUSB Type-A→Type-CケーブルとType-C→3.5mmプラグの変換ケーブルです。有線でも使える仕様になっているのは嬉しい方も多いのではないでしょうか。なお、ACアダプターは付属しません。説明書は英語のみですが画像が多く理解しやすい内容になっています。それと、画像左にあるのが持ち運び用のポーチで、本体がすっぽり収納できるサイズになっています。
頭部に装着する際の長さは横のスライドで調節できる一般的なタイプで、下の画像が最大まで伸ばした状態です。ちなみにスライド幅は約4cmで、最大時に装着すると頭が小さめの私だと少し余りました。また、スライド時には若干の引っかかりがあり、ほぼ無段階での調節が可能となっています。
トップ画像の再掲になりますが、イヤーカップ部分はヨコ・タテ方向に約90°回転します。平置きしたり、ポーチでの持ち運びをする際などに便利ですね。
タテ方向に折りたたむと、コンパクトな形状にすることもできます。
イヤーパッドは外耳全体を覆い、低反発寄りのクッションのような弾性で通気性は低め。また、深さもある程度確保されているためほとんど耳には触れません。この辺りは「使用感」のところで後述します。
左の内側には各種認証情報などが記載されています。右側には何もありません。
充電と3.5mmプラグに変換するために使用するType-C端子とボタン類は全て左側に集約されていて、右側には何もありません。+とーの間にあるのがマルチファンクションボタンで、再生開始/停止のほか、押す回数や長さで曲戻し/曲送りやSiri呼び出し(iOSのみ)を行えるようになっています。
画像には写っていませんが、Type-C端子の下にLEDのインジケータがあり、点滅の種類で電池残量を確認できる仕様になっています。正直なところ、この機能必要かな?って…100時間の残りがどれくらいなのか気にしてチェックする人はほとんどいないのかなと。少なくとも私は一度もインジケータで電池残量を確認することはありませんでした。
3.使用感
装着時の印象
重量の280gを数字だけ見るとアウトドアスマホくらいのサイズなので「重そう」と思ってしまいそうですけど、実際は全然そんなことはなく快適な着け心地ですね。イヤーパッドについては耳の一番出っ張っているところ(耳輪と呼ぶようです)が軽く触れるくらいで不快感はありません。ただ、レビュー時期がさほど温かくない季節なので気にならなかったとはいえ、さすがに長時間装着していると蒸れてきます。ヘッドホン全般に言えることですが夏場はちょっと不向きかもしれません。
接続
ペアリングはスムーズに行うことができましたし、電波強度も高いと思われます。スマホでの音楽再生時、寝室にスマホを置いた状態で本製品を装着し2部屋離れたところへ物を取りに行ったことがありました(直線距離で7mくらい)が、全く途切れることなく快適に使用できました。この感じなら自宅内であればどこでも気にせずウロウロできそうです。
音質
J-POPやYoutube動画の音声を聴く限りでは中~高域がよく響き、クリアな印象を受けます。また、試しにゲームの「ウマ娘」をプレイしてみた際に感じたのは「レースの際の臨場感」ですね。実況、音楽、足音それぞれが独立し際立って聞こえるためテンションが上がりました。一方で、低域がもっとズンズン響くだろうという先入観を持っていたのですが、EDMを聴いてみた限りそれほどではなかったのが正直なところです。ただ、かと言ってボリュームを上げると潰れるようなこともなく、メリハリが効いた感じになるため、(私は聴かないのでよく分かりませんが)クラシックなどには適しているかもしれません。総じて耳なじみは良く、全般的に音がスッと入ってくるという点において個人的には高評価です。
遮音性・音漏れ
Enduro 100はノイズキャンセリングを搭載していないものの、イヤーパッドの遮音性が高いせいか一定音量以上にすると外部音がよほど大きくない限りはほぼ聞こえません。例えるなら、背後から話しかけられても気付かないくらいだと思います。反対に、音漏れは一般的なイヤホンと比べると構造上仕方ないのかもしれませんが、やはり大きいように感じました。イヤーパッドを手で覆ってギリギリ聞こえないくらいの状態を確認してから装着すると、同様のケースでイヤホンから聞くよりもボリュームが体感比で30%減くらいの大きさになります。満員電車でそれなりの音量で聴く際には間違いなく音漏れするでしょう。
バッテリー
バッテリー搭載製品は開封時に「ある程度充電された状態」になっていることが多いかと思います。本製品もその状態で届いたのですが、累計で数十時間使用した現在もまだバッテリー切れを起こしたことはなく、実は一度も充電していないんです…。さすがに100時間もつかどうかのテストを行うことはしていませんが、超スーパーウルトラロングバッテリー(稚拙でゴメンナサイ)であることを疑う余地はなく、唯一難点を挙げるなら「充電頻度が低すぎて忘れた頃に切れてるかもしれない」といったところでしょう。ただ、その難点も「10分間の充電で12時間再生可能」ですから心配は無用かもしれません。
4.まとめ・価格など
Cleer Enduro 100は東京博海 楽天市場店にて販売中で、3月28日時点の価格は税込み13,990円です。
ヘッドホンで音楽を聴くという行為自体がずいぶんと久しぶりになりましたが、イヤホンとはまた違った良さがありますね。本製品が手元に届いてからというもの、これまでもっぱら骨伝導イヤホンだったのが「意識的に聴く」機会が増えて、なんだかんだで半々くらいの使用率に変わりました。軽くて装着感に優れますし、何より100時間の大容量バッテリーは聴きたい時にいつでも使える手軽さを提供してくれます。1万円くらいの手頃なヘッドホンを探している方にはおすすめできる製品です。
5.関連リンク
Cleer Enduro100:東京博海 楽天市場店