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USB 3.xを「ゆっくり挿すと」、USB 2.0になるって本当!?実際に試してみました

オピニオン

USB 3.xを「ゆっくり挿すと」、USB 2.0になるって本当!?こんにちは、natsukiです。今回は、都市伝説のような小ネタを検証してみます。それは、USB Type-Aポートにおいて、「USB 3.x」規格のUSBメモリなどを「ゆっくりと挿すと」、なんと、「USB 2.0」として認識されるというものです。これ、事実なんです。

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なお、USBの規格についてのあれこれは、下記記事をご参照ください。
ややこしい「パソコンのUSB規格」について、実用的に「これだけは知っておきたい」ということをざっくり解説します

1.やってみる

Lenovo Yoga 770測定側のUSB Type-Aポートは、Lenovo YOGA770のUSB Type-Aポートを使用します。規格はUSB 3.2 Gen1(USB 3.0/USB 3.1 Gen1と同じ、詳しくは上記記事参照)で、理論上の最大データ転送速度は5Gbpsで、計算上は625MB/sとなりますが、データエンコードの都合などもあり、実効値は500MB/sくらいが限界です。

なお、USB 2.0の理論上の最大データ転送速度は、480Mbps。上記と同様に、計算上は60MB/sながら、実効値は40MB/s台が限界です。

USBメモリ「Kingston DataTraveler Exodia」

Kingston DataTraveler Exodiaまずは、USB 3.2 Gen1のUSBメモリ「Kingston DataTraveler Exodia」で試してみましょう。

キングストン USBメモリ  DataTraveler Exodia:Amazon

普通に挿した場合のデータ転送速度のベンチマークはこちら。

Kingston DataTraveler Exodiaで測定した「通常の」Crystal Disk MarkスコアUSB 3.x対応とはいえ、そんな高価なUSBメモリでもないので、こんなものでしょう。なお、Windowsのシステム的に、USB 3.xで認識しているのかUSB 2.0で認識しているのかを確認するすべは、(Windows 11では)ないはずです。

それでは、ゆっ~~~~くり挿すと……

Kingston DataTraveler Exodiaを「ゆっくり挿した」ときのCrystal Disk Markスコアご覧の通り、データ転送速度が下がりました。これはUSB 2.0の数値ですね。

MOVESPEED ポータブルSSD

MOVESPEED ポータブルSSD
USBメモリじゃなくて、SSDでも同様か? ということで、USB接続タイプのポータブルSSD「MOVESPEED ポータブルSSD」でも試してみましょう。このポータブルSSDについての詳細は、下記記事をご覧ください。

USBメモリサイズのSSD「MOVESPEED SSD」レビュー - 価格的にも性能的にも、USBメモリから小型SSDへ乗り換える時代に

普通に挿した場合のデータ転送速度はご覧の通り。

MOVESPEED ポータブルSSDの「通常の」Crystal Disk Markスコアちゃんと、USB 3.2 Gen1相当の速度を出しています。

それでは、やはり、ゆっくり挿してみます。

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MOVESPEED ポータブルSSDを「ゆっくり挿した」ときのCrystal Disk Markスコアやはり、USB 2.0相当の速度まで落ちました。USB 2.0として認識されているようです。

2.仕組み

さて、なんでこんなことが起こるのか? それは実は、USB 2.0とUSB 3.xでは、内部的には端子が別で、互換性を持たせるために、USB 3.xは、USB 3.xとUSB 2.0の、2種類の端子を合わせ持っているためです。

USB Type-A端子の拡大画像USBの端子で、手前に見えている部分が、実はUSB 2.0の端子です。奥の方にUSB 3.xの端子があります。このため、ゆっくりと挿すと、先端のUSB 2.0の端子のみが先に接触し、パソコン側がUSB 2.0として認識してしまうというわけです。いったんUSB 2.0として接続すると、切断しない限り、後からUSB 3.xに切り替わったりはしないようです。

USB端子の内部のチップ構造これは、Aliexpressで売っているUSBメモリの内部チップの画像を編集したものです。こうしてみると、構造がよく分かりますね。

3.USB Type-Cでは?

MOVESPEED ポータブルSSDにはType-C端子もあるでは、USB Type-Cではどうなのか? 上で試した「MOVESPEED ポータブルSSD」は、USB Type-Cコネクタも備えているため、試してみましょう。

USB Type-C端子の拡大画像ちなみに、端子を見てもUSB Type-Aに比べて小さいため、端子の詳細がどうなっているかは、視認ではいまいちよく分かりません。

MOVESPEED ポータブルSSDのUSB Type-C端子使用時のCrystal Disk Markスコア結論を言うと、私が試した限りでは、USB Type-Cについては、ゆっくりと挿してもUSB 2.0として認識することはなく、本来の性能で認識しました。

4.まとめ

ということで、本当に「USBを挿す速度」によって、USBの性能は大きく変わってしまいます。普通に挿したときでも、接触不良など、何らかのもののはずみで「遅く挿した」と認識されてしまうこともあるかもしれませんね。USBを通じての接続で、データ転送速度が本来スペックからかけ離れて遅かったり、何らかの異常が発生した場合には、こういう原因もありうることは覚えておくとよいでしょう。

5.関連リンク

PC・スマホの規格ガイド

執筆者:natsuki ウインタブをきっかけに、海外通販で奇天烈なガジェットを漁ることにハマる。趣味は旅行(自然も史跡も)、アマチュアオーケストラなど。自分の知識欲も満たせるので、楽しんで記事を書いています。興味を持ったもの、面白いと思ったものを、読者の皆さんと共有できれば幸いです。
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コメント

  1. 通りすがり より:

    端子の違いによる実験は面白いと思いますが、誤解が生まれやすい記事と感じました。
    「2.仕組み」の部分は、USB-Aのときはそのとおりですが、USB-Cは根本的に違います。
    USB-Cは、利用する(有効な配線のある)ピンによって判別してるので、抜き差しの仕方によって差は出ません。(そのあたりは割といろんな記事が出てるかと)
    そこまで調べたうえで記化されてれば本当に良かったのに……。

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