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pCloud 導入レビュー - 買い切りの安心感が魅力のクラウドストレージ。基本機能は十分、画像整理やデータ移行も使いやすい

オピニオン

pCloud 導入レビュー
こんにちは、natsukiです。買い切り型クラウドストレージとして話題に挙がることが増えてきた「pCloud」ですが、サイトとしても、すでにこのサービスを購入して利用している実績があります。

買い切り型クラウドストレージのpCloudを契約(購入)しました
買い切り型クラウドストレージのpCloudの「ライフタイム2TBプラン」を購入しました。OneDriveとGoogle Oneからの切り替えです。買い切り型にしたかったというのもありますし、OneDriveの利用を辞めたかった、というのもあります。

そこで、ライターである私も、先月11月のセールでpCloudを購入して、まずはウインタブの記事作成や趣味の研究会について活用をはじめてみました。プランは、2TBのベーシックプランです。

pCloudは、「買い切り型」というのが最大の特徴のクラウドストレージサービスです。まず、ここに魅力を感じるかどうかでしょう。その上で、どうしても、巨大なエコシステムと一体化しているGoogle Drive、OneDrive、iCloudや、老舗で各種サービスの成熟したDropboxなどに比べれば、機能面では及ばない点もあります。もちろん、pCloudも基本的な機能は十分に備えているので、後は、pCloudのサービスで足りるのかどうかですね。もちろんこの点は、まったく人それぞれになるかと思います。私の具体的な活用例を、使用イメージをつかむ参考にしていただければと思います。

1.私のストレージ環境と、利用の用途

ストレージ環境

前提として、私はこれまで、パソコンやスマホ用の共有ストレージとして、以下のものを使っています。
・Google Drive無料プラン(15GB)
・Dropbox無料プラン(6GB)
・OneDrive無料プラン(5GB)
・自宅サーバーGMKtec NucBox G9(8TB~)

このうち、ファイルサーバー特化型ミニPC「GMKtec NucBox G9」は、とりあえずで8TBという膨大なストレージを接続しています。ただし、自宅外からのアクセスについては、一応可能ではあるものの、セキュリティ上のリスクから様々な制約があり、基本的に自宅内のWi-Fiを通じたアクセスに限定しています。従って、オンラインストレージとは、すみ分けができています。こちらについては、詳しくは下記記事をご覧下さい。

GMKtec NucBox G9 レビュー - Intel N150でSSD×4を安定運用!メーカーの配慮が光るミニPC
注目のNASミニPC、GMKtec NucBox G9をレビュー!スペックの魅力だけでなく、NAS・ファイルサーバー運用のための工夫や配慮が光る一台です。

pCloudを「スマホ→パソコン」の写真同期に導入

ところで私は、ウインタブの記事などは、おおむね「スマホで写真を撮り」「スマホでアイデアメモを作り」「パソコンで執筆や画像加工を行う」という工程で作業しています。この際、基本的にはDropboxを利用しているのですが、ケチって無料プランなため、いちいちスマホから必要な写真やメモをアップロードするという作業が生じます。ちなみに、なぜOneDriveやGoogle DriveではなくDropboxかというと、単に、業務によって混ざらないように使い分けているだけです。

ともあれ、ここを、pCloudを導入することで、スマホの写真データを撮ったそばからすべてパソコンに同期して、シームレスにパソコンで作業する体制にしてみました。

パソコン側の楽譜ライブラリや研究会の資料をスマホでも見られるように

いまのところ、パソコン側のすべてのデータをバックアップする気はないんですが、膨大な楽譜ライブラリは、アップロードしてスマホで見られるようにしました。また研究会の資料もアップロードしています。これで、XPPen Magic Note Padがますます活躍できるってもんです。ともかくこのように、任意のフォルダも簡単に同期可能です。

2.使用感 ― パソコンから

パソコンからのpCloudの利用は、当たり前と言えばそれまでですが、「ブラウザ」「専用アプリ」「フォルダに同期」の3種類があります。

スマホから同期するフォルダを参照

exp
パソコン用アプリの導入により、一般的なクラウドストレージと同様に、パソコンのローカルにファイルを同期することが可能です。今のところ私のメインの使い方は、この方法によって、スマホで撮った写真をそのままパソコンでの作業に使う、というものです。

とりあえず、スマホ側から写真を同期するフォルダを作ってしまえば、あとはそのフォルダにジャンジャンスマホの画像データが流れ込んできます。私のメインマシンであるLenovo YOGA770はストレージが1TB、スマホの全画像データは100GB程度なので、スマホの画像データをまるまる持ってくる余裕は十分にあります。これで、スマホからいちいちアップロードする手間が省けます。

パソコンから同期するフォルダを指定

pc_app_buckup
もちろん、パソコン側のデータを同期することも簡単に可能です。これらの各種設定は、専用アプリから行います。アプリのユーザーインターフェースは素直で、操作に戸惑うことはありません。画像の「フォルダを追加する」で、特定のフォルダを指定することも可能です。私は、先述のように楽譜データと研究会資料の入ったフォルダを同期しています。

パソコンのスクリーンショットも同期

pc_app_setting
また、記事の作成上、パソコンのスクリーンショットも多用するので、パソコンのスクショを撮ったそばから自動でpCloudに蓄積できるのは、地味に嬉しい点です。

画像整理に便利な「フォト」機能

pc_app_photo
アプリやブラウザからの利用で便利なのは、「フォト」機能です。この機能は、Dropboxなども備えますが、要するに、スマホの「フォト」アプリのように、画像・動画ファイルを日付などで整理して表示してくれます。この機能はオンライン上のデータを参照しているはずですが、マンション暮らしでネット接続速度に制限のある私の環境でも、サムネイルはさほど待たずに表示されます。他社クラウドストレージに劣らない品質と言えると思います。

3.使用感 ― スマホから

スマホからは、ブラウザ経由でも使えますが、基本的にはアプリを使用することになると思うので、アプリでの使用を前提に話を進めます。また、私はAndroid環境のため、iOSの場合は異なる部分があるかもしれません。

スマホから同期するフォルダを作成

android_app_file
pCloudアプリは、使ってみるとクセが少なく、直感的に操作できます。ただ、細かいバグはあります。

android_app_sync
上の画像は、同期するフォルダの選択ですが、なぜか同一フォルダを、大文字と小文字で2重に認識してしまいます。画像では「Camera」「camera」フォルダがありますね。下にスクロールすると「dcim」フォルダがあったりします。これ、2つとも選んでしまうと、pCloud上に2倍に同期してしまうので注意です。

android_app_photo
もちろん、スマホ側にも「フォト」機能があります。これは、OneDriveやDropboxにもありますが、やはり便利ですね。

自動アップロード設定や、他クラウドストレージからのデータ移行が簡単

スマホの写真・動画や、他社クラウドストレージデータのバックアップがシンプルに行えるのは、操作面での特徴です。

android_app_cloud-storage
特に、後発クラウドストレージとしての自覚からか、他社クラウドストレージから簡単にバックアップが取れるようにしてあるのは、面白いところです。

アプリのオフィスワーク編集機能は貧弱 ― 別アプリで補う必要あり

難点もあります。自前でエコシステムを持たないサービスだけに、付属の編集機能が貧弱だという点です。ざっと使っていて気になる点は2点あります。

第1点は、アプリから新規ファイルを作れないこと。例えば、Google DriveであればGooleドキュメントなど、OneDriveであればMSドキュメントなど、DropboxであればMSドキュメントとテキストファイルなどの新規作成が可能です。しかし、pCloudは、ファイルをアップロードすることはできても、完全な新規作成には対応していないようです。もちろん、スマホの各種アプリで作成したファイルを保存することは可能なので、使う手順だけの問題と言えばそれまでですが。今まで私は、Dropboxに、思いついたメモをテキストファイルで新規作成して放り込んでおくという使い方をしていたのですが、そういうことはできないわけです。

第2点は、純正の編集機能が貧弱であるということ。pCloudからPDFファイルやテキストファイルを編集しようとする場合、pCloud純正の「pCloud Editor」(「タイトル編集」と表示される場合もある)という編集アプリからも開けます。ところが、これが私の環境だと重すぎて実用に耐えません。まあ、PDFやテキスト編集アプリは星の数ほどあるので、他のアプリで開くようにすればいいだけなので実用上は困らないのですが、できれば簡単な編集は自前の機能で行えた方がスムーズなのと、せっかく機能としてあるからにはちゃんと使えるものにして欲しい、というのはあります。もっとも、動作が重たいというのは、何らかの競合が発生しているなど、私の環境による可能性もあるかもしれませんけれど。

いずれも、他のアプリと連携することで、実用上は問題無く運用可能です。私の環境では、WPS OfficeやJote+などと連携可能であることを確認しています。

要するに、Android側でのファイルの編集については、pCloud付属の機能に頼らず、他のアプリを用意した方がいいということです。もちろん、スマホ側で特に編集などをしないという人にとっては、この弱点は関係ありません。

4.ぶっちゃけ、「買い切り」という精神衛生上の安心感を買うという意味も大きいと思う

pCloudの最大の特徴は、正直なところやはり買い切りであることの、精神的な安心感ですよね。ここは、はっきり言って、私の個人的な感覚の部分も大きいというのは分かっています。世の中、サブスクリプションが多くなってきていて、それが多くなってくると管理しきれなくなるという不安がつきまとってきます。そこに対する注意力に、精神的なリソースを割きたくない。

だから例えば、私はイラストアプリは、パソコンではClipStudio Paintの買い切り版を使っていますし、しかしAndroidではClipStudio Paintではなくibis Paintの買い切り版を使っています。AndroidのClipStudio Paintは、サブスクリプション版のみで買い切り版が無いからです。そりゃ、操作感が共通で、データやブラシが共有できるなど、両方同じアプリでやるのがいいに決まっているんですが、それでも分けて使うくらいには、個人的にサブスクリプションに心理的負担感があるんです。

もうこれは、性格や使用環境、用途も含めて、完全に人それぞれの部分です。その上で、私のように、サブスクリプションにストレスを感じる人に、pCloudは、クラウドストレージとしては数少ない有力な選択肢となるでしょう。

5.まとめ

ということで、pCloudの運用をはじめました。先に述べたように、いまのところの私の用途は、スマホのデータをガンガンパソコンに共有するのと、パソコンの特定フォルダのデータをスマホからも参照できるようにするもので、この使い方においては、十分に役割を果たしています。

機能面で見ると、フォト機能など、大手クラウドストレージに喰らいついていこうという気概が見えます。写真や動画のバックアップとしての用途を考えるなら、十分期待に応えてくれるでしょう。

惜しいのは、スマホアプリでの、PDFやオフィスワーク系編集機能の貧弱さです。実用面では、私の使う範囲内では他のアプリとの連携でカバーできてはいます。スマホ側で高度な活用を考えている場合には、お試しの無料プラン(注)で使い勝手や他アプリとの相性などを確認しておくとよいかと思います。

注:pCloudには無料プランがあり、最大10GBまで利用できます。容量は小さめですが、購入前の動作確認や機能の検証には十分かと思います。

6.関連リンク

執筆者:natsuki ウインタブをきっかけに、海外通販で奇天烈なガジェットを漁ることにハマる。趣味は旅行(自然も史跡も)、アマチュアオーケストラなど。自分の知識欲も満たせるので、楽しんで記事を書いています。興味を持ったもの、面白いと思ったものを、読者の皆さんと共有できれば幸いです。
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