こんにちは、近郊ラピッドです。現在、AMDのRyzen 5000シリーズCPUやAPUが複数ショップで大幅に安く販売されています。3月27日までの「期間限定」との事ですが、手頃なRyzen 5000シリーズの追加モデルや「Renoir-X」が4月に投入されると噂されていますので、もしかすると「春のキャンペーン」が終わった後もある程度の値引き販売が続くかもしれません。もちろん、そうなると保証することは筆者には出来ませんので、もし入手したいと思われたならばセール期間中に買う方が無難だと思います。
それでは、価格情報についてご紹介します。
1.価格情報
今回のセール対象はRyzen 5000シリーズ全般となっており、全てのモデルが大幅に安くなっています。様々なショップで値引き販売が行われていますが、今回はパソコンSHOPアーク(ark)の価格を取り上げます。なお、他のショップでも殆ど同じ価格になっているようです。
製品名 | 価格(税込み) |
Ryzen 5 5600G | 28,800円 (通常より8,000円OFF) |
Ryzen 5 5600X | 32,500円 (通常より10,299円OFF) |
Ryzen 7 5700G | 41,800円 (通常より8,000円OFF) |
Ryzen 7 5800X | 47,800円 (通常より14,000円OFF) |
Ryzen 9 5900X | 63,300円 (通常より15,500円OFF) |
Ryzen 9 5950X | 85,800円 (通常より29,000円OFF) |
※()内はarkにおいての通常価格との比較です。
以上のように、かなり手頃な価格となっています。今までは割高感もあったRyzen 5000シリーズですが、CPUなら32500円、APUなら28800円から購入できる等、かなり安くなったため以前よりも購入しやすくなったのではないかと思います。
2.注目のモデル
今回のセール品の中でも、個人的に特にお買い得なモデルだと思うものをご紹介します。
Ryzen 5 5600G
出典:パソコンSHOPアークの販売ページ
arkによる価格推移のグラフです。
現在の価格は28,800円程度と、かなりお手頃な価格となっています。Zen 3ベースの6コア12スレッドのCPU部分を持っており、しかもAPUなのでiGPU(内蔵グラフィックス)が搭載されています。
iGPUのアーキテクチャーはVegaで、規模は7CU(GPUコア数、IntelのiGPUのスペック表で使用されている「EU」と混同しないように注意してください)、1900MHzなので、5700GのiGPU(8CU、2000MHz)には劣る上に、モバイル向けRyzen 6000シリーズのRyzen 7・9(RDNA2アーキテクチャーの上12CU)にはかなり劣りますが、それでもIntel のデスクトップ向けCPUのiGPU(最大32EU)よりも性能が高くなっています。
5600GはiGPU程度のグラフィックスで十分ならば外部GPUも不要のため、安価にPCを自作したい方には魅力的なAPUだと言えます。
Ryzen 7 5700G
出典:パソコンSHOPアークの販売ページ
arkによる価格推移のグラフです。
現在の価格は41,800円程度となっています。CPU部分はZen 3ベースの8コア16スレッドで、iGPUはVegaアーキテクチャーで8CU、2000MHzとなっています。そのため、CPU部分もiGPU部分も高性能になっています。
外部GPUと組み合わせる場合には、L3キャッシュの容量が少ないことや、PCIe3.0までの対応となっている点が気になりますが、外部GPUが不要で、iGPUだけで十分という用途ならばかなり有力な選択肢となっています。
Ryzen 9 5950X
出典:パソコンSHOPアークの販売ページ
arkによる価格推移のグラフです。
現在の価格は85,800円程度となっているため、「お買い得」と言われてもピンとこない方もおられると思います。しかし、5950XはZen 3ベースで16コア32スレッドと驚異的な性能となっており、マルチスレッド性能では現状でも個人向けのデスクトップPC向けCPUとしては最上位クラスとなっています。
シングルスレッド性能はAlder LakeのCore i9に追い越されてしまいましたが、それでも、CPU-MonkeyによるとCINEBENCH R23のシングルスレッドテストのスコアが1650程度はあるのでそこまで問題は無いと思います。
しかも、このCPUは16コアCPUにしては消費電力が比較的抑えられているため、かなり魅力的なCPUと言えます。
このように、5950Xは極めて性能の高いCPUとなっています。それにもかかわらず、85800円で購入できるのはお買い得と言えるでしょう。ただ、それでもかなり高価なCPUには変わりないのも事実ですが。
今挙げたモデルは、今買っても多分大丈夫だと個人的に思っているモデルとなっています。以前記事にも書いたRyzen 5000シリーズの追加モデルや、登場すると噂されている「Renoir-X」(Zen 2ベースAPUの「Renoir」のiGPU部分を無効化したモデル)が登場した後でも魅力が色褪せないのではないかと思います。
また、デスクトップ向けAPUはRDNA2ベースのiGPUに更新されるのがまだ先の話になると思われる上に、例え投入されるとしてもiGPUの規模がモバイル向け程大規模になるのかも分かりませんので、今Ryzen 5000GシリーズAPUを買っても時期は悪くないのではないかと思います。
3.終わりに
今回のキャンペーン期間中はRyzen 5000シリーズの競争力がかなり上がりそうです。また、グラフィックス内蔵のAPUがかなり手頃な価格となっているので、DeskMini X300シリーズなどの「超小型デスクトップPC」を作ることができるベアボーンと一緒にRyzen APU(CPUだと内蔵グラフィックスが無いので使えません)を購入して、この機会に超小型デスクトップPCを作ってみるのも良いかもしれません。
このようにRyzen 5000シリーズが大幅に値下げされて販売されているのは個人的には予想外の出来事でしたが、こうして入手しやすくなることによって、自作PC市場が更に活性化するのではないかと思います。
4.参考リンク
値下げを実施しているショップの一例です。
パソコンSHOPアーク(ark)
PC1’s
パソコン工房(セールを謳っていませんが値下げされています)
ドスパラ(セールを謳っていませんが値下げされています)
他にも多くのショップで実施されています。