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T-bao Tbook 4 - 高い質感と安定挙動が魅力の14.1インチモバイルノート(実機レビュー)

T-bao Tbook4
こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。日本のユーザーからの知名度はまだ不十分ながら、スペックがよく、お値段もお手頃な「T-bao」製品の実機レビューです。T-baoについてはウインタブで「Tbook Air」および「Tbook X7」の実機レビューをしたことがあり、前者は小型・軽量でパフォーマンスの高いモバイルノート、後者はドル建てて100ドルを切る驚異の激安モバイルノートということで、読者にも注目していただきました。また、いい話ばかりではなく、Windows 10のライセンス認証に問題のある製品があり、ウインタブを信用してT-bao製品を購入された読者のみなさんにご迷惑をおかけしてしまったこともあります。

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今回のレビュー機「Tbook4」は14.1インチの薄型モバイルノートで、いい意味でT-baoらしさが感じられます。もちろんお値段のほうもなかなか挑戦的で、お買い得感も高い製品です。なお、この製品は中国の通販サイト「geekbuying」に提供していただきました。geekbuyingにはこの場にて御礼申し上げます。ありがとうございました。

1.スペック

T-bao Tbook4 スペック表

クリックで拡大します

最初にスペックを確認します。CPUはApollo Lake世代のCeleron N3450、RAMは6GBと大容量で、ストレージは64GB eMMCとなります。このスペックは中華製品としては中堅クラス、あるいはやや上級クラスのモバイルノートの水準値と言える内容です。2017年にはいってから、中華では「RAM6GB」という、CPUとのバランス上ちょっとオーバーなのでは?と思われる容量のものが増えています。その反面、ストレージに関しては依然として64GB eMMCというのがほとんどです。なお、後述しますが、この製品はM.2 スロットを備えており、自分でサイズの合うSSDを購入すればストレージ増設が可能です。

ディスプレイは14.1インチとモバイルノートとしてはやや大型サイズとなり、IPS液晶でFHD解像度です(異論あり、後述します)。また、筐体サイズは13.3インチの製品と比較してもそれほど大きくはなく(タテ・ヨコ1センチ程度大きいくらいです)、重量も1.3 kg(実測値1,312 g)なので、モバイル利用にも支障はないと思われます。

入出力ポートはフルサイズ(Type-A)のUSB3.0ポートが2つ、micro規格ですがHDMIも装備され、万全とは言えないまでも実用性は十分確保されていると言えるでしょう。

T-bao Tbook4 システム構成
T-bao Tbook4 ストレージ構成
試用機のシステム構成です。スペック表記載のものと同じですが、OSのバージョンがやや古くなっていますので、購入直後はWindows Updateに少し時間を要するはずです。また、過去に問題があったことからライセンスに関しても確認しましたが、一般的な「OEM版」がインストールされており、全く問題はありませんでした。

2.筐体

筐体説明に入る前に、T-bao製品の梱包について一言。これまで何度かT-bao製品の実機レビューをしてきましたが、梱包は非常に丁寧です。筐体には保護シールがびっしりと貼られており、箱の中もふんだんにクッション材が使われています。引き合いに出すと叱られるかもしれませんが、Jumperなんかはかなり簡単な梱包になってまして、それとは対極かな、と思います。梱包材はどうせ捨ててしまうものではありますが、国際配送で購入しますから、T-baoのように丁寧に処理してくれていると安心ですし、好感も持てます。

T-bao Tbook4 同梱物
同梱物です。PC本体のほか、ACアダプター(そのまま日本で使えます)、取扱説明書(英語がありますが、有害物質の使用状況説明などにとどまり、マニュアルとしてはほぼ役に立ちません)、検査合格証が入っていました。ACアダプターのケーブル長は約1.45 mあり、この手の中華製品としては長めです。また実測値も123 gと軽量でした。

T-bao Tbook4 天板
天板です。相変わらずT-baoのロゴは他の追随を許さないものがありますw 筐体素材はメタル(アルミ合金だと思います)で、質感は悪くありません。

T-bao Tbook4 底面
底面です。なーんにもな…、ありますね!画像右下に開口部が!

T-bao Tbook4 M.2 スロット
M.2 スロットがありました。先日かのあゆさんがレビューしたJumper EZBook 3 SEとは異なり、コネクターもありますので、SSDを用意すれば簡単に増設できると思います。あいにく手元にM.2 SSDがなく、動作確認はできませんでしたが、サイズを測定してみたところ、おそらく「2242サイズ」が適合サイズになると思います(ただし、定規での測定しかしておらず、実際にSSDを挿入しておりませんので、この製品に使用する目的でSSDを購入される場合は必ずご自身でサイズをご確認下さい)。

T-bao Tbook4 左側面
左側面です。画像左の小さな穴状のものがマイク、その右にmicroHDMI、USB 3.0ポートがあります。

T-bao Tbook4 背面
背面にはポート類は何もありません。

T-bao Tbook4 右側面
右側面です。画像左からmicroSDスロット、USB3.0ポート、オーディオジャック、DC-INです。

T-bao Tbook4 前面(開口部)
前面(開口部)です。こちらにもポート類はありません。開口用の「手がかり」となるくぼみがあるのみです。開口は比較的容易で、開きにくい、ということはありません。

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筐体はしっかり成形されており、中華ノートにありがちな「軽くひねるとミシミシする」ということもありません。なので、手に取った感じは中華としてはかなりいいほうだと思います。また、筐体素材がオールメタルということもあり、安っぽさも感じられません。

T-bao Tbook4 キーボード
キーボードです。14.1インチサイズということもあり、キーピッチは十分に確保されています。キーストロークは浅めですが打鍵は確実にできます。もちろん英語配列となりますが、Enterキーの右に一列あるタイプなので、この配列に慣れていない場合は当初ブラインドタッチに少し苦労するかもしれません。

T-bao Tbook4
ヒンジを開けてみます。この製品の筐体色はグレーですが、他の中華ノート「MacBookにインスパイアされました系」製品と比較すると色目が少し異なっており、「濃いグレー」です。特殊な色合いでもありませんが、中華ノートっぽくはありません。また、メタル素材ということで、筐体のエッジ部分にはダイアモンドカットが施されており、そこはかとなく高級感もあります。

T-bao Tbook4
正面から見るとこんな感じです。ベゼルは細く、そのせいでデザインも美しいと感じます。個人的にはベゼルはブラック塗装のほうが締まって見える、という意見ですが、それは人それぞれの評価によりますね。

T-bao Tbook4
ヒンジの開口角度は比較的大きい方だと思います。水平位置までは開口できませんが、このくらいまで開くのであれば実用上まず問題はないでしょう。

3.使用感

ディスプレイ

メーカーとgeekbuyingによればIPS液晶とのことですが、それには少しばかり疑問があります。外見でIPSなのかTNなのかを明確に判断する方法というのはなく、角度を変えて見るとか、発色を見るとかして確認してみました。そして、これまでのレビュー経験も加味して判断すると、IPSとは思えません。

発色はきれいですが手持ちのディスプレイと比較するとやや薄い色合いとなり、視野角は狭いです。特に視野角については典型的なTN液晶のそれですね。なので、真実は何か、というのは置いておいて、この製品を購入する場合は「液晶はTN」と考えておいたほうがいいと思います。

キーボード

14インチサイズということもあり、キーピッチは十分な余裕があり窮屈さも感じません。また、キーストロークも浅めですが打鍵感はいいです。打鍵音は「パチパチ」系ですが、比較的音が小さめなので、使っていて快適です。

ただし、レイアウトに関しては慣れが必要かもしれません。「Enterキーの右の一列」があるためです。このレイアウトに慣れている人なら問題はないと思いますが、そうでない場合、使い始めにはかなりの誤入力を誘発してくれます。ただ、キーボードサイズに余裕があるせいで、比較的短時間で慣れることができると思います。

あと、使っていて気になった点がもう一つ。スペースキーの感度が今一つです。スペースキーって横長ですけど、端っこのほうを押すと認識してくれない場合があります。しばらく使っていると気にならなくなるのですが、使い始めのうち、スペースキーを使って漢字変換する際にうまくいかず、何度か押しなおしたことがあります。

バッテリー

この製品のバッテリーインジケーターは品質が悪い、もしくはドライバー系のソフトウェアに問題があると思われ、正しい残量が表示できません。1時間使って消費5%ですからw Webで検索してみましたが、Surface Proなどでも同様の不具合が散見されるようです。おそらくWindows Updateなどをきっかけにして自然に治ってくれるのではないか、と思いますが、少なくとも試用時にはこの不具合は修正できませんでした。

スピーカー

この製品のスピーカーはキーボード面の背面、ヒンジ部分に隠れた位置にあります。そのため、通常の利用ではほとんど見えません。また、ステレオスピーカーですが、全体的に少し右にオフセットされています。

実際に使って見るとステレオ感は自然に出ますので、特にオフセットによる悪影響は感じられません。音質のほうは実用品レベルの域を出ませんが、同クラスの中華ノートよりはいいと思います。低音や高音には弱いですが、中音域は割としっかりしているのでヴォーカル系の音楽をBGMとして使うにはそんなに悪くないかもしれないですね。

4.性能テスト

この製品はCeleron機なので、「ドラゴンクエスト X ベンチマークテスト」をやってみました。

T-bao Tbook4 ドラクエベンチ
参考:
GPD WIN(Atom X7-Z8700): 2,829
T-bao Tbook Air(Celeron N3450): 2,814
ドスパラ Altair VH-AD3(Celeron N3450): 2,652
ドスパラ Diginnos DG-CANPC(Atom X7-Z8700): 2,618
Beelink BT7(Atom X7-Z8700): 2,488
Teclast TBook 16 Power(Atom X7-Z8700): 2,463
ドスパラ Altair VH-AD2(Celeron N3150): 2,381
VOYO VBook V3(Pentium N4200): 2,369
KINGJIM PORTABOOK XMC10(Atom X7-Z8700): 2,304
Chuwi Hi 13(Celeron N3450): 2,288
Teclast X22 Air(Celeron J3160): 2,257
Jumper EZBook 3 SE(Celeron N3350): 2,087
マウス m-Book C(Celeron N3450): 2,075
Jumper EZBook 3 Pro(Celeron N3450): 1,965
Jumper EZBook Air(Atom X5-Z8300): 1,929
Jumper EZPad 6 Pro(Celeron N3450): 1,914
ドスパラ Diginnos Stick DG-STK4S(Atom x5-Z8500): 1,871
VOYO VBook A1(Celeron N3450): 1,867
Chuwi LapBook 12.3(Celeron N3450): 1,845
Onda Xiaoma 41(Celeron N3450): 1,842
Chuwi LapBook 14.1(Celeron N3450): 1,835
ドスパラ raytrektab DG-D08IWP(Atom Z8350): 1,747
ドスパラ Diginnos DG-D10IW3SL(Atom Z8350): 1,732
Jumper EZpad mini 3(Atom x5-Z8300): 1,717
MINIX NEO Z83-4(Atom x5-Z8300): 1,683
YEPO 737S(Atom x5-Z8300): 1,631
Chuwi Hi 10 Plus(Atom x5-Z8300): 1,628
ドスパラ Diginnos DG-D10IW3(Atom x5-Z8300): 1,570
GOLE 1(Atom x5-Z8300): 1,556
Jumper EZBook 3(Celeron N3350): 1,540
Jumper EZPad 6((Atom x5-Z8300): 1,536
ドスパラ Diginnos DG-D09IW2SL(Atom x5-Z8350): 1,509

Celeron N3450搭載機としては少し不本意なスコアとなりました。ただし、テスト中に筐体はほとんど発熱しなかったので、メーカーの方でクロックスピードを抑えている可能性が高いです。実際ドラクエベンチのスコアが若干低くても使用感にそれほど大きな差は出ませんし、そのかわりに安定挙動が期待できる、ということなら決して悪くはないと思います。実際、短時間の試用ではあるものの、システムがフリーズするなどのトラブルは一切ありませんでした。

5.まとめ

T-bao Tbook 4は中国の通販サイト「geekbuying」で販売中で、10月23日現在の価格は249.99ドル(28,988円)となっています。

先に悪いところを書きます。まず液晶品質が額面通りIPSであるとは思えません。価格を考慮すれば、最初からTNであると説明されていれば納得できますが、IPSという説明だったのに届いてみたらTNとしか思えなかった、ということだと腹が立つのではないか、と思いますので、この点はご注意下さい。また、バッテリーの残量が正しく表示されませんでした。これは試用機固有の問題という可能性があり、すべての製品に同様の不具合があるとは思えません。

この2点を除けば低価格なモバイルノートPCとしては高い水準にあると思います。ベンチマークスコアが今ひとつ振るわなかった、というのはありますが、その反面筐体の発熱が小さめで、システムの挙動が非常に安定していたことは高く評価できます。また、筐体品質は高く、Jumper製品よりもむしろ上、と感じました。

T-baoのロゴマークについてはアレですが、3万円以下で購入できるモバイルノートとしては十分合格点をあげられる、というのが結論です。あとはディスプレイサイズが14.1インチとやや大きめであり、その分筐体のサイズも若干大きめになりますので、12.5インチなのか、13.3インチなのか、それとも14インチなのか、という視点で他の中華製品と比較してみるのがいいんじゃないでしょうか?

6.関連リンク

T-Bao Tbook4 14.1″ Notebook:geekbuying

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コメント

  1. alpha より:

    この黒っぽい感じがかっこいいですね
    ほかのよりこっちの方が好きですね

  2. 匿名 より:

    天板ロゴはシールですか?剥がせる?