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PiPO W9S - ツッコミどころはあるけど激安なので許す!14インチノートPC(実機レビュー)

PiPO W9S
こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。今回は中国のノートPC「PiPO W9S」の実機レビューです。先日「Jumper Ezbook 2」という14インチサイズの紹介記事を書きまして、「アルミ筐体の14インチノートPCで価格が224.84ドル(25,742円)」だったんで、「いくらなんでも安すぎだろ!」って感想を書いたところ、読者の方の反響がありました。で、今回レビューする「PiPO W9S」も14インチながら価格が2万円なかばの製品なので、どんなものかと楽しみながらレビューしてみました。結論から言うとツッコミどころはあれど、価格を思えば十分満足できる製品だと思います。なお、この製品は中国の通販サイト「GEARBEST」に提供していただきました。ありがとうございます。

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1.スペック

OS:  Windows 10 64ビット
CPU: Intel Atom x5-Z8300
RAM: 2GB / 4GB
ストレージ: 64GB
ディスプレイ: 14.1インチTN(1,366 x 768)
ネットワーク:  802.11 b/g/n、Bluetooth 4.0
カメラ: インのみ2MP
入出力: USB 2.0 × 2、mini HDMI、microSD、オーディオ、電源
バッテリー: 10,000mAh、最大7時間
サイズ: 351 x 233 x 20 mm / 重量 1,468 g
※当初の紹介記事に記載していたスペックに誤りがあり、実機をもとに修正しています。

最初にスペックのおさらいを。OS、CPU、RAM、ストレージは典型的な中国タブレットそのものですね。なので、性能のほうもおおよそ見当がつくかな、と思ってます。ただ、ディスプレイはTN液晶、タッチ非対応ながら14インチサイズとなっており、筐体もそれに合わせて大きなものになっています。

後述しますが、筐体は薄型のノートPCそのものなので、このスペックでどんな使用感になるのかは気になるところですね。

2.筐体

PiPO W9S 同梱物
まずは同梱物から。この製品は同梱物が非常に少ないです。中国製品ではおなじみの検査合格証をはじめ、保証書、ごく簡単な取扱説明書(英語表記もあります)、そしてACアダプターです。この製品はDC-INを備えており、USBでの電源供給ではありません。ノートPCなので、もちろんこのほうが使いやすいと思います。

PiPO W9S 天板
筐体素材は金属ではなく、プラスティック製です。見た目の質感は決して悪くはありません。パッとみてのデザインもいいと思います。天板にはPiPOロゴじゃなくてなぜかWindows 10とIntelのロゴが入ってますね。これはこれでダサいですw

PiPO W9S 左側面
左側面です。画像左からDC-IN、USB 2.0、miniHDMIポートです。この配置、GEARBESTの製品ページとは異なります。

PiPO W9S 右側面
続いて右側面です。画像左からmicroSDスロット、オーディオジャック、USB 2.0ポートとなります。USB 3.0に対応していないのは残念ですが、もともと高スペックな製品ではないのでOKかな、と思います。

PiPO W9S 背面
こちらが背面です。この面にはポート類などはなにもありません。

PiPO W9S 前面
前面です。この面にもなにもついてませんね。筐体の薄さがよくわかると思います。

PiPO W9S 底面
底面です。左右にスピーカーがついているのがわかりますね。一応しっかりステレオです。また、タブレットと異なり、中を開けることもできます。

PiPO W9S キーボード
キーボードです。使用感については後述しますがフルサイズでキーピッチは十分とられています。

PiPO W9S フル開口
ヒンジはかなり大きく開きます。というか水平に近いところまで開けるので、使い勝手はかなりいいです。

PiPO W9S 筐体を前から
こうしてみると堂々たるノートPCです。キーボード両端の余白をみるとわかりやすいですが、14インチノートとしては横幅がやや大きくなっていて、マウスのLuvBook Bシリーズと比較すると1センチくらい横長です(ただし奥行きは1センチ弱短いです)。

重量は公称値が1,468 gですが、私は1 kg~2 kgの重量を正確に測定できる機材を持っておらず、デジタル体重計(100 グラムきざみw)で測定したら「1.4 kg」と表示されましたので、1.5 kgは下回っているものと思われます。つまり、公称値に大きな誤差はない、ということになります。

このサイズだと、以前ウインタブで実機レビューした「LenovoのPCバッグ」にぴったり入ります。また、薄型なのでこのバッグにPCを入れた後でも書類などは普通に入れることができました。なので、ちょっと重いですがモバイルマシンとして携帯することも可能です。

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3.使ってみた

PiPO W9S
試用機はRAM4GBの上位モデルでした。実はこの製品、OSがバージョン1511(Threshold 2)ではなかったので、製品到着後自分でWindows upgradeをしました。所要時間は約3時間でして、こういう作業をするとAtomの非力さが浮き彫りになってしまいますね。また、もちろん日本語化もしています。

PiPO W9S  ストレージ
ストレージの空きです。ただし、Threshold 2にアップグレード後、自動的に生成されるバックアップファイルを削除し、Chromeなど比較的軽量なソフトウェアをインストールした後の状態です。おそらく初期状態であればもう少し空き容量があると思います。ともあれ、シングルブート機ということもあり、ストレージ64GBの製品としてはこんなものかな、と思いますし、実用性は十分だとも思います。

PiPO W9S 狭い視野角
TN液晶であることが少し気がかりでしたが、やはり視野角は狭く、少し斜めから見るだけで画面が白っぽくなってしまいます。しかし、正面から見る限りは十分きれいな画面で発色もそんなに悪くありません。価格を思えば合格点をあげてもいいでしょう。

PiPO W9S キーボード拡大
キーボードですが、これはイマイチですねえ…。英語配列ですが、特に不足するキーはなく、問題なく打鍵できます。しかし、キーストロークが中途半端に深いし、カチッとした印象ではなく、グニャッとした感覚になるので、あまり気持ちよくありません。また、キーボード面の強度が不足していて、打鍵していると「たわみ」を感じます。何といいましょうか、実用性は問題ないんだけど、気持ちよくない、って感じかなあ…。

また、上の画像の一番右上にあるキー、何だと思います?電源ボタンなんですよ!F12キーの隣に電源ボタン。一般的なキーボードだとこのあたりにDELETEキーがあると思うんですけど、何度もDELETEを押したつもりで電源ボタンを押しちゃうんですよね。今のWindowsだと電源ボタンを間違えて押してしまってもそんなに困ることはないんですけど、いきなり画面が真っ暗になるんでかなり焦りますw

PiPO W9S 筐体のゆがみ
この画像だとわかりにくいと思うんですが、試用機はキーボード面が少し歪んでました。実用上は問題がないんですけど、キーボード面の中央付近が1 mm くらいへこんでるんです。ナチュラル・エルゴノミクス・キーボードとでも言いましょうか、ちょっと驚きました。

次にスピーカーですが、あんまり高級な音質ではないものの、配置がよく、ステレオ感はしっかり出ます。ちょっとした動画を観る程度なら十分に使えると思います。もちろん本格的な音楽鑑賞には向きません。

バッテリーは比較的長持ちすると感じました。満充電の状態で、4時間ほどディスプレイを消さずに輝度100%にしてテキスト入力や画像加工、オンラインゲームのベンチマークテストなどを断続的に(何かをしている時間が50%、アイドル時間が50%くらいです)使ってみた後、バッテリー残量が50%程度ありましたので、バッテリー節約を意識しながら使えば公称値に近いところまではいくのではないか、と思います。

とまあ、気に入らない部分を少し強めに書きましたが、全体的な印象はそんなに悪くないです。いつものようにウインタブの記事執筆(この記事とか)に使ってみましたが、体感性能はもろにAtom機のそれですが、ディスプレイもキーボードも大きいし、配置も自然なので作業効率は高かったです。私の作業内容がAtom機でも十分対応できるテキスト入力とか、簡単な画像加工のみということもありますが、個人的には立派にノートパソコンとして使えると思いました。上に書いた不満にしても、これが3万円以下で手に入る製品だということを考慮すれば、あまりぐちゃぐちゃ文句を言うべきではないのかもしれません。

4.性能テスト

今回の実機レビューでも「ドラクエ X ベンチマーク」と「ドラゴンズドグマオンライン」のベンチマークテストをやってみました。
PiPO W9S  ドラクエベンチ
参考:
Cube iWork 11 Stylus(Atom X5-Z8300): 1,817
ONDA V919 Air CH(Atom Z5-Z8300): 1,801
Chuwi Hi 10(Atom x5-Z8300):1,658
ドスパラ Diginnos DG-D10IW3(Atom x5-Z8300): 1,570
Chuwi HiBook(Atom x5-Z8300): 1,504
Teclast X98 Plus 3G(Atom x5-Z8300): 1,464
Cube iWork 8 Ultimate(Atom x5-Z8300): 1,448
DELL Inspiron 11 3000(Celeron N3050): 1,446
ドスパラ Diginnos DG-D09IW2(Atom x5-Z8300): 1,241
acer Aspire Switch(Z3735F): 1,101
Diginnos DG-D08IWB 32GB(Z3735F): 1,097

ありゃりゃ?って感じですね。何度も試してみましたが、BayTrail機並みのスコアになりました。自分で使っていてそんなにもっさりしているとは感じないのですが…。ノートPCとタブレットという筐体構造の違いが要因なのかな、と思いますが、はっきりしたことはわかりません。

PiPO W9S  DDONベンチ
参考:
Teclast X98 Pro(Atom X5-Z8500): 1,048
Cube iWork 11 Stylus(Atom X5-Z8300): 911
ONDA oBook 10(Atom X5-Z8300):908
Chuwi Hi 10(Atom x5-Z8300):876
ONDA V919 Air CH(Atom X5-Z8300): 819
Cube iWork 8 Ultimate(Atom x5-Z8300): 774
Teclast X98 Plus 3G(Atom x5-Z8300): 705
ドスパラ Diginnos DG-D10IW3(Atom x5-Z8300): 692
ドスパラ Diginnos DG-D09IW2(Atom x5-Z8300): 601
acer Aspire Switch 10(Atom Z3735F): 469

DDONについても同様で、やはりBayTrail機と似たり寄ったりのスコアでした。うーん、うまいコメントが見つからないっすねえ。

5.まとめ

PiPO W9Sは中国の通販サイト「GEARBEST」で販売中で、価格はRAM4GBモデルが218.19ドル(24,504円)、RAM2GBモデルはこの記事を書いている5月27日現在在庫切れとなっています。

最後の性能テストでちょっと残念な結果になってしまいましたが、私はこの製品がかなり気に入りました。というかしばらくの間メインマシンとして使ってみようと思います。PCの使い方は人それぞれですが、私のようにウインタブの記事を書いたり、YouTubeで動画を観たり、webブラウジングをしたり、といった軽めの用途であれば、非力なAtom機であってもそれほどストレスにはならず、大きめのディスプレイやキーボードで作業ができる、というのは非常にありがたいです。

記事中、キーボードの打鍵感が気に食わないなど、いまひとつ物足りないと感じる部分について指摘をしましたが、価格が非常に安く、軽めの作業であれば十分に使えるノートPC、という大筋での評価は正しいと思います。あとは、中国製品で少し心配な耐久性が備わっていればこの製品は素晴らしくお買い得だと思います。でもそれはもう少し時間がたってからでないと評価できないですよね。

6.関連リンク

PiPO Work-W9S Laptop:GEARBEST

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コメント

  1. ずめん より:

    なるほど…
     
    wintabさんのレビュー読んで、Chuwi Hi10を購入して、想像以上にキビキビ動くんで驚いたんですけど、数値的には大分下になるんですね。
     
    Jumper Ezbook 2もちょっと怖いですね。

    • wintab より:

      ずめんさん、こんにちは、コメントありがとうございます。その後継続利用してますけど、個人的には割と満足してます。あと、パフォーマンスはタブレット並みですが、ベンチマークスコアほどの差はない、というのが使ってみた感想です。まあ、ノートPCとしてはお世辞にも速いとは言えませんけどね。

      • ずめん より:

        返信ありがとうございます。
         
        使用用途は、ビジホでNetflix等を見るためだけなんで、使えそうと判断してポチりました!

        • wintab より:

          ずめんさん、こんにちは、コメントありがとうございます。行ってしまいましたか。今のところ特に機種固有の不具合みたいなものはないので大丈夫かな、と思いますが、やっぱAtom機なんで過度の期待はしないほうがいいですよ。私の使い方だとこれで大丈夫なんですけど・・・