記事にアフィリエイト広告を含みます

HP Omni 10 - スペック確認がてらThinkPad 8 と無差別級で勝負させてみた

HP Omni10
日ごろあまり取り上げることのない10インチのWindowsタブレットですが、お値段お手頃のニューモデルもちらほら出始めていますね。8インチのほうがしばらくニューモデルが出ていない中、HPのニューモデル、Omni 10 に注目しています。Omni 10 のスペックを見てピンと来たのがLenovo ThinkPad 8 との類似性です。実機レビューではないのですが、Omni 10 と ThinkPad 8 の異種格闘技戦というか、無差別級柔道というか、両者を比較してみることにしました。

スポンサーリンク

まずはスペック表から。
スペック比較表
CPU周りのスペックが同じで標準のOffice付モデルの価格がかなり接近していることがわかります。ちなみにOmni 10 のOffice付59,180円という価格は量販店のものであり、量販店のポイントが約5,000円分ついてくることに注意が必要です。

1.サイズ

Omni10 サイドビュー
Omni 10 のサイズは260mm x 182mm x 9.9mm ,重量は650gとなっています。8インチタブレットの長辺(縦)はおよそ210~220mmくらい、短辺(横)が130~140mmくらいなので、8インチとの比較では縦に4センチ、横に4センチくらい大きい、ということになります。厚さはタブレットの目安ともいえる1センチより薄くなっていて、この点は合格ですね。

Omni 10 のサイズに近いメジャーどころの製品は旧世代iPad(特に3と4、以下は単にiPadと表記します)です。iPadのサイズは241.2mm × 185.7mm × 9.4mm , 重量は652gです。Omni 10 と比較すると、縦が2センチほどOmni 10 のほうが大きいことを除けばほぼ同じ大きさと重さ、ということになります。

iPadはもっとも普及しているタブレットなので、持ってるか否かは別として、触ってみた人はかなり多いと思います。なので、Omni 10 の実機のサイズをイメージするのにiPadは参考になるでしょう。

このサイズのタブレットの携帯性は「片手で持つ」には問題ありませんが、「片手で持ったまま使う」にはちょっと難があります。重すぎて長時間はきついんですね。なので、タブレットとして長時間使う場合、「両手で持つ」あるいは「置いて使う」ことになります。

一方ThinkPad 8 はやや縦長ではありますが、一般的な8インチタブレットの範疇に入れることができるサイズです。重量が430gあり、他の8インチタブレットよりは数十g重いので、8インチタブレットとしては若干不利ですが、Omni 10 からみれば明らかに携帯性に優れます。

2.ディスプレイ

ワイドな画面サイズ
Omni 10 のディスプレイサイズは10.1インチで解像度は1920 × 1200 となっています。対するThinkPad 8 は8.3インチで1920 × 1200 です。ThinkPad 8 はiPS液晶、Omni 10 はiPS液晶ではありませんが、視野角は十分広く、実用上大きな差はないようです。どっちの勝ちかと言えばもちろんOmni 10 ですね。サイズの面で不利となってしまった代償として、大きな画面を手に入れているわけですから。

私は8インチのタブレットに外付けのキーボード+マウスを組み合わせてノートPC代わりに使うことも多いのですが、こうした使い方をする場合は10インチ画面のほうが圧倒的に優れています。目の疲れとかは劇的に軽減されることは間違いありません。

スポンサーリンク

3.デザイン

Omni 10 背面画像
Omni 10 のデザインは黒を基調としたデザインで、背面の素材は強化プラスチックながら、マットな加工がされていて、上質感があります。でも、デザインということに関してはThinkPad 8 にかなわないでしょうね。背面素材もアルミニウムですし、伝統のThinkPadの系譜を踏襲した黒地に赤のアクセントというのは、前にも書きましたけど「スタバでAppleに対抗できる唯一のWindowsタブレット」だと思います。

もちろんOmni 10 のデザインが悪いということではなく、比較した相手が悪かった、という理解でいいでしょうね。

4.性能

今回の記事で最も伝えたかったのはこの部分です。8インチと10インチ、見た目は大きく違いますが、Omni 10 とThinkPad 8 の性能はほぼ同じなんです。同じCPU(Intel Atom Z3770)、同じGPU(Intel HD Graphics)、同じRAM(2GB)を搭載しており、ベンチマークテストでも大差はありません。CPUに関しては他の8インチタブレットが搭載しているAtom Z3740よりもワンランク上で、(個人的にはそこまですごい差ではないと思いますが)より快適に動作する、ということになります。

内蔵カメラの性能もインが200万画素、アウトが800万画素と互角です。外部とのインターフェースでは、microHDMI,Bluetoothはともに装備していて、ここでも互角ですが、microUSB端子がOmni 10 では2.0規格であるのに対し、ThinkPad 8 では3.0規格となっていて、ThinkPad 8 に軍配が上がります。ただし、microUSB3.0端子を持つハードウェアはまだ多いとは言えず、実用上はあまり大きな差にならないような気がします。microSDについては、Omni 10 は公式では32GBまでとなっていますが、64GBでの動作報告もあり、同じく64GBのmicroSDに対応しているThinkPad 8 とは互角です。

決定的に大きな差になっているのは内蔵ストレージです。Omni 10 には32GBのモデルしかありません。対するThinkPad 8 は64GBと128GBのモデルがあります。個人的にはクラウドストレージの活用とWindowsストアアプリでゲームを大量にインストールするようなことをしなければ32GBでなんら問題はないと思っていますが、世の中の評価は決してそうではなく、ThinkPad 8 は全体的に品薄なところ、特に128GBモデルは入手がほぼ絶望的な状況です。32GBしかない、ということはOmni 10 の販売にブレーキをかけてしまう要因になるかもしれませんね。

それと、Omni 10 はリカバリ用のデータをmicroSDカードに格納してくれているので、内蔵ストレージは初期状態で15GB位は確保されているようです。

5.アクセサリ

Omni 10 は10インチディスプレイを備えていることから、外付けキーボードを用意することによってノートPCとそん色のないお仕事マシンとしての素養を備えています。にもかかわらず残念なのが純正キーボードがない、ということです。いや、キーボードだけじゃなく、純正のケース・スリーブもありません。
ThinkPad 8 アクセサリ

一方のThinkPad 8 ですが、Lenovo純正で豊富なアクセサリを選ぶことができます。特にクイックショットカバーとThinkPad Tablet 2 キーボードは素晴らしい出来です。

この項目はThinkPad 8 の圧勝というほかありません。

6.結論 ― 使い方をしっかりイメージしてから決める

デザイン性を重視したい人にはThinkPad 8 です。高級感があり、Omni 10 の太刀打ちできるところではありません。次に屋外や移動中など、携帯性が重視される使い方がメインになる場合もThinkPad 8 です。8インチと10インチの大きさの差、重量の差は数値以上に大きいと思っていいです。

じゃOmni 10 はどういう人に向いているのか、と言うと、外付けキーボードとマウスを使ってノートPC代わりに使う頻度が高めの人、仕事用、営業用のタブレットとして使いたい人でしょうね。Omni 10 はしっかりしたキーボードとマウスを用意すればメインPCとしても十分使えます。Photoshopを多用したり、オンラインゲームをやりたい人は別として(それなりのスペックのPCのほうがいいです)、WordやExcelのような事務系ソフトウェアを使ったり、Windowsストアアプリを使ったり、艦これなどのブラウザゲームをやる程度なら十分メインマシンとして使えるはずです。こういった、PCとしての使い方を念頭に、でも持ち歩いてタブレットとしても使いたい、という人にはOmni 10 は安価で強力なタブレットPCだと言えます。

7.関連リンク

「HP Omni 10」――10.1型WUXGA&Atom Z3770搭載で5万円を切るWindows 8タブレット:IT media PC USER
コスパ最強!? 直販44,800円からの10.1型Windows 8.1タブレット – 日本HP「HP Omni 10」を試す:マイナビニュース

スポンサーリンク