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富士通 Arrows Tab WQ2/B1 ー 10.1インチ、タフな筺体がカッコいい!プロ仕様のタブレット(実機レビュー)

Fujitsu Arrows Tab WQ2/B1
こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。ウインタブとしては初となる富士通製品の実機レビューとなります。「Arrows Tab WQ2/B1」という10.1インチサイズのWindows タブレットで、タブレット専用機(製品価格にキーボードを含まず、タブレットのみで販売されている製品を意味します)のレビューは久しぶりです。この製品は極めて堅牢な筺体を持つ、ある意味プロ仕様な製品です。

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1.スペック

Fujitsu Arrows Tab WQ2/B1 スペック表

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富士通の10.1インチサイズのArrows Tabは直販専用のカスタマイズモデル(WQ2/B1)と家電量販店などで購入できるカタログモデル(QH35/B1)があります。そして、カスタマイズモデルとカタログモデルは「全然別物」です。筺体の金型とか内部のシステム基板とかはわかりませんが、私達ユーザーレベルでこの両者を比較すると、むしろ共通点を探すのが大変、と感じます。

今回レビューするのはカスタマイズモデルの方なので、そちらに絞って説明します。CPUはCherryTrail世代のAtomで中位に位置するZ8550、RAMは4GB、ストレージが64GBもしくは128GBとなっていて、ウインタブでよくレビューしている低価格な中華タブよりもワンランク上の内容になっています。

ディスプレイ解像度はWUXGA(1,920 × 1,200)です。ちなみにウインタブでは1,920 × 1,200も1,920 × 1,080も「FHD」と表記して済ませていますけど、実際にはアスペクト比16:10の場合WUXGAというのが正しいです。それはさておき、10.1インチサイズとしては十分な解像度と言えます。

また、この製品は防水(IPX5/7/8)・防塵(IP5X)仕様となっており、ただでさえ頑丈な富士通製品をさらに強化したものとなっており、いざという時にも安心!…なかわりにかなりゴツい筺体になっています。

2.筺体

Fujitsu Arrows Tab WQ2/B1 同梱物
いつもだと同梱物を説明するのですが、今回はマニュアル類はないので、製品本体と電源ケーブルのみを撮影しました。また、同時に専用のクレードル(ドッキングステーション)もレビューします。

Fujitsu Arrows Tab WQ2/B1 前面
前面です。実はこのアングルが一番「この製品らしい」と思います。筺体の周辺部がきっちり強化されていることがわかりますよね?また、両端の下側にスピーカーが配置されています。最近だと少し珍しいんですが、この製品は側面ではなく前面にスピーカーがあります。

Fujitsu Arrows Tab WQ2/B1 左側面
左側面です。いやあ、11.8 mmというのは分厚いなあ、と感じます。しかしこれ、いつもの風景とは違いますね。

Fujitsu Arrows Tab WQ2/B1 端子カバー
防水・防塵仕様であるために、端子はカバーで覆われています。画像の一番左のあるのが「ペンひも取り付け用穴」で、スタイラスペンを紐でぶら下げることが想定されています。その右から順にオーディオジャック、USB3.0、microHDMI、microSDスロット、LEDインジケーター(バッテリ充電時に光ります)、DC-INとなります。

Fujitsu Arrows Tab WQ2/B1 左側面
こちらが右側面。画像左側のカバーで覆われている部分にはUSB 2.0と強制終了スイッチ、ショートカットボタン、音量上下ボタン、電源ボタン(白くて目立つボタンです)、そしてボタンのように見えますが、これ、スタイラスペンです。一番右端が「ペンひも取り付け用穴」となります。つまり、この製品はスタイラスペンを筺体に収納でき、ペンをぶら下げる紐穴が2箇所についています。

Fujitsu Arrows Tab WQ2/B1 スタイラス収納
カバーを開け、スタイラスペンを半分出してみました。

Fujitsu Arrows Tab WQ2/B1 上面
こちらが上面。ボタン類やポート類はありません。中央にある2つの穴のようなものはマイクです。

Fujitsu Arrows Tab WQ2/B1 底面
底面です。この製品は後述するクレードルや専用キーボードが用意されており、それらの周辺機器とはコネクターで物理接続します。

Fujitsu Arrows Tab WQ2/B1 クレードル 前面
別売りのクレードルです。すみません、製品にホコリがついていてお見苦しいかと思いますが、どうかご容赦下さい。いやあ、写真にすると細かいホコリが目立っちゃうんですよね。画像の下側が前面、上側が背面となります。前面にはクレードルとタブレットの脱着用ボタンがついています。

Fujitsu Arrows Tab WQ2/B1 クレードル 背面
こちらが背面になります。さすがにポート類はたくさんありますね。画像左からUSB 3.0ポート、マイク、イヤフォン、D-sub、HDMI、有線LAN(RJ45)ケンジントンロックとなります。

Fujitsu Arrows Tab WQ2/B1 クレードル 左側面
左側面です。画像の左端の奥まったところにDC-INがあります。なお、このクレードルはタブレットの接続しても、使用時は常に給電が必要です。

Fujitsu Arrows Tab WQ2/B1 クレードル 右側面
右側面です。こちらにもUSBポートが2つあります。ということで、このクレードルを使うと拡張性が飛躍的に向上します。

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Fujitsu Arrows Tab WQ2/B1 クレードルセット 正面
タブレットとクレードルを接続してみました。拡張性の向上はもちろんですが、タブレットの台座としても非常に優秀です。

Fujitsu Arrows Tab WQ2/B1 クレードルセット 側面
側面から見るとこんな感じ。安定感もバッチリですし、タブレットをタッチ操作する場合でも使いやすいです。ただし、角度調整はできません。

Fujitsu Arrows Tab WQ2/B1 利用イメージ
イメージ画像です。こんな風に外付けのキーボードとマウスを用意して、PCとして使えますね。ただし、「小型デスクトップPC」って感じになります。ノートPCのように電車の中で膝の上に置いて作業するとかは難しいですね。でも、いったん机の上などに配置してしまえば非常に使いやすくなります。外出時はタブレットだけ取り外して持ち歩く、という使い方になるでしょう。

Fujitsu Arrows Tab WQ2/B1 スタイラス
スタイラスペンです。断面は四角形(ほぼ正方形)で、WacomのFeel Ii Technologies対応なので、電池式ではなく、細身で軽量です。普通のボールペンと変わらないか、やや細いくらいですね。

3.使用感

この製品には専用のキーボードが別売りで用意されているのですが、今回のレビューにこのキーボードは含まれません。そのためタブレット単体、クレードル接続時、そしてこの製品のポイントである2,048段階の筆圧対応デジタイザーペンを使ってみた感想を書きたいと思います。

タブレットとして

筺体画像を見てもらえれば想像がつくと思いますが、10インチサイズのタブレットとしては重いほうです。しかし、見た目のゴツさほど重くはないんですよ。実際の重量は635 gですから、これが2年前であれば普通の10インチタブ、という水準ですし、2017年の水準だと「50 gくらい重いかな」と感じるくらいです。

この製品は防水・防塵機能があり、ポート類がカバーで覆われているなど、アウトドアっぽい外観ですよね?水に沈めてみるとか落下させてみるとかのことをレビューで実施するのは難しいです。

富士通が公表しているのは防水(IPX5/7/8)・防塵(IP5X)(詳細はこちらから)ですし、もちろん信頼できるものだと思います(というか富士通の言ってることが信頼できないのなら信頼できるメーカーなんてないでしょう)が、一般の個人ユーザーが実際にここまでの機能の恩恵を受ける機会は多いとは思えず、腕時計であればCASIOのG-Shockみたいな「ファッションとして」という性格のほうが強いかもしれません。

なので、外観については好き嫌いがはっきり出そうですね。iPadみたいな超薄型でスタイリッシュなタブレットが好きな人にはまるっきり理解できない方向性かもしれません。

手で持った感じはたしかに少し重いですが、ともかくしっかりした筺体なので不快感はないです。もちろん長時間手持ちするという場面だとジワジワと辛くなるでしょうけどね。ディスプレイは解像度(1,920 × 1,200)が高く、発色、視野角とも良好だと思います。使っていて特筆するようなものではありませんが、不満を抱く人もほとんどいないと思います。

本体の入出力ポートはクレードルなしでも十分実用的なレベルですが、端子カバー付きというのは「よくもあり悪くもあり」ですね。防水・防塵性能を確保するためには必要なものですが、実際にポートを使う段になると邪魔です。だって、徹底的にほぼ全てのポートにカバーが付いてしまっているので、着脱は少し面倒です。

なお、スピーカーについても簡単に。この製品はステレオスピーカーを搭載し、側面ではなく前面に配置されているため、ステレオ感はしっかり出ますし、音質も悪くありません。ただし、本格的な音響製品(オーディオ機器という意味)ではなく、これで音楽鑑賞が快適にできるか、というのは次元が異なる話かな、と。実用品レベルでいい音、と理解して下さい。音楽鑑賞用ということであれば、安価なBluetoothスピーカーなどを追加してやるほうがいいです。このサイズのタブレット製品に音楽鑑賞レベルのスピーカー品質を求めるのはちょっと酷ですね。

クレードル

これ、クレードルという言い方より「ドッキングステーション」って言うほうが個人的にはピンときます。あらかじめこのクレードルにキーボード、マウス、外部ディスプレイ、外部ストレージなどを接続して自宅に置いておき、出先から帰ってタブレット本体をクレードルにセットすれば即座にデスクトップPCに早変わり、という芸当ができます。「筺体」のところで説明したとおり、ポート類の数は相当なもので、これさえあれば拡張性に不安はありません。

また、汎用のドッキングステーションと異なるのは、このクレードルを使うとタブレット台としても使え、デザインのマッチングも素晴らしいということです。汎用のドッキングステーションにもいいものはありますが、やはりそこは純正品ということで、使いやすさは抜群でしょう。

手書き入力

スタイラスペンは電池式ではなく、やや細身ですが、ボールペンを持つのと大きく感触は違いません。描き味のほうもまさにWacomペンのそれです。つまり、非常に快適です。残念ながら私の環境およびスキルだと1,024段階と2,048段階の差、ということについてレビューはできません。ただし、できる範囲でペン先のズレとか筆圧の入れ加減のようなことを注意してチェックしてみましたが、問題点というか、ケチの付け所はありませんでした。

CPUがAtom Z8550ですから、Atom Z8300系(Jumper EZPad 5 SEなど)以上Core m(Cube Mix Plusなど)未満、ということになりますので、レイヤーを大量に駆使する精緻なイラストの仕上げには向かないと思いますが、PC負荷の比較的小さい、例えばカジュアルなラフスケッチ程度であれば、デジタイザーの品質そのものは十分満足できるレベルだと思います。

4.性能テスト

この製品はAtom機ですし、コンサバなイメージの富士通製ということもありまして、当初はあまり期待していませんでした。ということで「ドラゴンクエスト X ベンチマーク」をやってみたところ、驚愕の結果が…。

Fujitsu Arrows Tab WQ2/B1 ドラクエベンチ
参考:
Cube Mix Plus(Core m3-7Y30): 6,293
Lenovo ThinkPad 13(Core i3-6100U): 5,409
ドスパラ Critea DX11(Core i3-6100U): 4,956
Lenovo Miix 700(Core m5-6Y54): 4,741
DELL XPS 12(Core m5-6Y57): 4,658
Lenovo Yoga 700(Core m3-6Y30): 4,004
GPD WIN(Atom X7-Z8700): 2,829
ドスパラ Altair VH-AD3(Celeron N3450): 2,652
ドスパラ Diginnos DG-CANPC(Atom X7-Z8700): 2,618
Beelink BT7(Atom X7-Z8700): 2,488
Teclast TBook 16 Power(Atom X7-Z8700): 2,463
ドスパラ Altair VH-AD2(Celeron N3150): 2,381
VOYO VBook V3(Pentium N4200): 2,369
KINGJIM PORTABOOK XMC10(Atom X7-Z8700): 2,304
Jumper EZBook Air(Atom X5-Z8300): 1,929
ドスパラ Diginnos Stick DG-STK4S(Atom x5-Z8500): 1,871
Onda Xiaoma 41(Celeron N3450):1,842
Chuwi LapBook 14.1(Celeron N3450): 1,835
Jumper EZpad mini 3(Atom x5-Z8300): 1,717
MINIX NEO Z83-4(Atom x5-Z8300): 1,683
YEPO 737S(Atom x5-Z8300): 1,631
Chuwi Hi 10 Plus(Atom x5-Z8300): 1,628
ドスパラ Diginnos DG-D10IW3(Atom x5-Z8300): 1,570
GOLE 1(Atom x5-Z8300): 1,556
Jumper EZPad 6((Atom x5-Z8300): 1,536
ドスパラ Diginnos DG-D09IW2SL(Atom x5-Z8350): 1,509
K8 Mini PC(Atom x5-Z8300): 1,462

Atom Z8550だとドラクエベンチのスコアは「2,000前後」というのが事前の予想でした。しかし、この結果はAtom最上位のZ8700に匹敵し、Apollo Lake世代のCeleron よりも上です。中華製品だと発熱などの問題をしっかり考慮していないのでは?と少し心配になるくらいのスコアですが、富士通製品なので、そのへんの心配は無用でしょう。すごい…というレベルです。

5.まとめ

富士通 Arrows Tab WQ2/B1は富士通の直販サイト「富士通WEB MART」で販売中で、4月9日現在の価格はタブレット本体が税込み79,694円、今回一緒にレビューしたクレードルが税込み20,444円となっています。また、レビューしていませんが、専用のキーボードも用意されており、軽量スリムキーボードは税込み17,064円となっています。

この価格はAtomタブレットとしては高額ですね。特にウインタブでは中華タブの実機レビューや紹介記事などもやってますので、それら中華製品と比較するとかなり割高に感じられます。しかし、防水・防塵機能のついた頑丈な筺体を備えていますし、システム挙動の安定性などは「さすが」と言わざるをえないくらいの水準ではありました。また、大手メーカーである富士通製ということで、万一の際のサポート体制にも不安はありません。この製品であれば初心者から上級者まで、苦労することなく性能をフルに引き出せると思います。

個人的に思うんですが、富士通とかNECとか東芝の製品って、やっぱり安心感がすごいです。購入の検討にあたっては、富士通というメーカーへの信頼感とタフな筺体品質にどこまでエキストラの出費を許せるか、という判断になると思います。

6.関連リンク

arrows Tab QHシリーズ:富士通WEB MART
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コメント

  1. タフで拡張性が高くて、しかも筆圧感知対応・・・
    欲しい(小並感)

    • wintab より:

      PYUさん、こんにちは、コメントありがとうございます。Wacomですしねー。価格なりのことはある製品だと思います。スペック表から入るとすごく割高に見えますけど、各パーツへのお金のかけ方を思うと、妥当かな、と思います。

  2. 匿名 より:

    富士通のPCって使わない体験版とか自社アプリが山ほどプリインストールされてる印象何ですけどその辺はどうなんでしょう?

    • wintab より:

      こんにちは、コメントありがとうございます。たしか体験版はなかったと思います。でも、オリジナルのユーティリティ系アプリは入ってました(これはアンインストールすべきではないです)。

  3. NIA より:

    まさにお風呂でタブレット(さすがにお絵かきは出来ませんが。)とかオリエンテーリングのお供にとか現場で使える相棒とか用途は様々ですね。お気にのタブレットに「Meopad AQUA」(https://www.meopad.com/products/MeopadAQUA.html)があります。ま~、いまだに現役なんですがw防水・防塵・フルUSB・ミニHDMIのアンドロイド機です。鎧を纏ったタブレット・・・みたいな?パナソニックのタフノートとかヤンチャ心をくすぐられる逸品ですね、今度のタブレット。できればCore MかIシリーズが良いかなと思うのは贅沢でしょうか。スタイラス・・・FEEL ITだったらい~な~。富士通だしな~。絶対iPAD2よりコッチでしょうw

    • NIA より:

      あ、ちゃんと書いてあったwFEEL ITいいなあw本当にスケッチに使えるじゃないですか!!少しの雨とか埃とかは怖くないしね。もうBAMBOOPADのペンでガシガシいけますねw

      • wintab より:

        NIAさん、こんにちは、コメントありがとうございます。はい、Wacomっす。CPUを見ると少し弱いですが、全体的にかなりお金の掛かった製品だと思います。

  4. 匿名 より:

    EZPad5Sのために買ったWACOMペンが共有できそうでいいですね
    欲しいけど,*2の方のようにプリインがどうか気になります
    プリイン(を入れる精神)が嫌いすぎて国産は買いたくないんですよね…
    一般向けじゃない業務用PCなら入ってないかな?