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ドスパラ Diginnos Stick DG-STK2F - ファン付き、Windows 10搭載、でも最安値のスティックPC(実機レビュー)

ドスパラ Diginnos DG-STK2F
こんにちは、ウインタブ(@WTab8)です。BTOパソコン、特にゲーミングPCで評価の高いドスパラ、気がついたらタブレットにスティックPC、はたまた文庫本PCと、お手頃価格で携帯性の高いAtom機のジャンルでも一大勢力と化しています。ウインタブの守備範囲は「モバイルWindows」なので、ドスパラのモバイルデバイスでの攻勢は大歓迎です。さて、今回はドスパラ製としては2度目となるスティックPCの実機レビューです。ドスパラは筐体別に2種類のスティックPCを販売していて、ひとつは先日実機レビューをさせてもらった「Diginnos Stick DG-STK1(以下、STK1といいます)」、そしてもうひとつが今回のレビュー機種である「Diginnos Stick DG-STK2F(以下、STK2Fといいます)」です。両者の違いは多くはない、というかハッキリしています。

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・STK1は冷却ファンなし、STK2は冷却ファンあり

・サイズはファンがない分STK1のほうが小型・軽量

・STK1はプリインストールOSにWindows 8.1とWindows 10を選択できるが、STK2FはWindows 10のみ

これだけです。そして驚くことにSTK1もSTK2Fも同価格です!税抜きで14,800円。この価格は私が知る限りスティックPCとしては最安値となります。スティックPCはサイズの制約が大きいため、CPUやRAM、ストレージの製品間の差異が少なく、その結果機種選びの際は価格コンシャスとなりがちです。当然最安値となるドスパラの2つの製品は機種選びの有力候補になります。では、最新にして最安値のスティックPCの実力をチェックしていきましょう。

なお、この記事では前回のSTK1の実機レビューとは少し異なる使い方を試しています。そのため、STK1の実機レビュー記事も合わせてご覧いただけると、より参考になるのではないかと思います。ぜひご確認ください。
ドスパラ Diginnos Stick DG-STK1 - 激戦スティックPCで最安値の実力(実機レビュー)

スティック型パソコン:ドスパラ公式サイト

1.スペック

ドスパラ Diginnos Stick DG-STK2F スペック表

クリックで拡大します

補足します。上にも書いた通り、CPU、RAM、ストレージは先行機種であるSTK1と一緒です。また、他社が販売しているほぼすべてのスティックPCも全く同じ構成になっています。そういう意味ではどの製品を選んでも性能差が非常に出にくく、性能よりは使い勝手のほうが重要な要素になると思われます。

STK1とSTK2F共通の特徴として、他社製品との比較で「microUSBポートがひとつ多い」ということが挙げられます。ほとんどのスティックPCにはフルサイズUSBポートがひとつ、microUSBポートがひとつ、合計2つのUSBポートが備わっていますが、そのうちmicroUSBポートは給電専用となります。スティックPCはバッテリーを内蔵していないため、使用中は必ず給電しなくてはなりません。つまり、使えるUSBポートはフルサイズUSBポートがひとつだけ、ということです。しかし、ドスパラのSTK1とSTK2Fは給電専用のmicroUSBのほか、もうひとつユーザーが自由に使えるmicroUSBポートを備えています。したがって、フルサイズUSBポートひとつとmicroUSBポートひとつ、合計2つのUSBが使える、ということになります。使ってみるとよく分かるのですが、「1つか2つか」というのは実用上、「めちゃめちゃ大きい差」になります。

次に、同じドスパラのSTK1とSTK2Fの違いとして、「冷却ファンの有無」とそれに伴う「サイズの差」というのがあります。スティックPC全般の弱点として「発熱による処理速度の低下」、ということが指摘されており、ドスパラに限らず各社で熱対策に注力している、というのが現状です。STK2Fに冷却ファンが装備されたのは、この点を気にするユーザーがいて、それにこたえるため、ということだと思います。冷却ファンの実力については、今回の試用で確認したので後述します。一方、冷却ファンをつけたことにより、STK2FはSTK1よりもサイズが大きくなってしまいました。でも、スティックPCですから、STK1ならポケットに入るのにSTK2Fは入らない、なんてことはなく、多少大きく重くなったとしても実用上の差は皆無と考えていいです。

ドスパラ Diginnos Stick DG-STK2F 初期状態のストレージ
なお、初期状態のストレージの空き容量は21.6GBでした。Windows 8.1だと20GBくらいになることが多いので、Windows 10によって初期の空き容量が1GB以上増えている、と考えていいと思います。

2.筐体

ドスパラのスティックPCは特段凝ったデザインというわけではありません。色はブラックのみですし、余計なデザイン上の装飾はありません。

ドスパラ Diginnos DG-STK2F 筐体側面
筐体には冷却ファンの存在を示唆するようなデザインで穴が開けられています。そして片方の側面にはmicroUSBポートとmicroSDスロットがあります。

ドスパラ Diginnos Stick DG-STK2F 側面その2
もう一方の側面には(画像左から)電源ボタン、給電専用のmicroUSBポート、フルサイズUSBポートがあります。ポート類の配置はSTK1とSTK2Fで共通ですね。

Diginnos Stick DG-STKB サイズ比較

上の画像は、左がファンなしのSTK1、右がSTK2Fです。確かにSTK1よりもかなり厚みを増しました。でも、もともとテレビにぶら下げるとほとんど存在感を消してしまうようなサイズなので、全然その差はわかりません。というかこのレベルでの厚さの差は全く気にしなくていいと言えます。
ドスパラ Diginnos Stick DG-STK2F 付属品
STK2Fに付属しているのは上の画像のケーブル類です。左からACアダプター、microUSB-USB変換ケーブル、そしてHDMI延長ケーブルです。ACアダプターの先端はSTK2F側と接続するmicroUSB端子、もう一方の先端はACプラグですが、プラグを外すとフルサイズUSB端子になっていて、microUSB-フルサイズUSBの変換ケーブルとしても使えます。

3.軽い!Windows 10

ドスパラ Diginnos DG-STK2F Windows 10

STK2FにはWindows 10がプリインストールされています。試用してみて、スティックPCにはWindows 10のほうが合う、って断言できます。体感的にWindows 10はすごくキビキビ動きます。例えばウインドウの開け閉めや切り替え、アプリの起動、Windowsボタンからのスタートメニューの起動、どれも高速で、体感的にはPCのスペックがワンランク上がったような印象です。

当初予定していなかったドラクエベンチも急遽やってみました。

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ドスパラ Diginnos DG-STK2F ドラクエベンチ

これ、Atom Z3735F搭載のPCとしてはごく普通のスコアです。やっぱベンチマークテストは正直だなあ。というわけで、Windows 10になったからといってPCのスペックが劇的に改善されるというわけでもなく、あくまでもOS由来の各操作が軽快に動く、ということですね。でも、Atom Z3735FのPCやタブレットでWindows 10を動かすと、結構感動すると思いますよ。

Windows 10はタブレットモードよりもPCモード(デスクトップ画面)での使い勝手が大きく向上した印象があります。STK2Fも含むスティックPCは超小型サイズとはいっても利用スタイルはデスクトップPCと同じ(タッチ対応のディスプレイを使えるなら話は別ですが)なので、デスクトップ画面の使い勝手がよく、軽快に動作するWindows 10との相性は抜群だと思います。

他社のスティックPCもほとんどはWindows 10の無償アップグレードに対応しますが、出荷時点でWindows 10がインストールされているスティックPCはかなり少ないのが現状です。あっても価格が高くなったりとか…。その中で最安値かつWindows 10プリインストールというSTK2Fは、どうせWindows 10にするなら面倒なアップグレードもありませんし、手軽で便利だと思います。

4.ネットカフェに持ち込んでみた

ドスパラ Diginnos DG-STK2F ネットカフェにて

過去の実機レビューでは自宅のテレビに接続するのみでしたが、今回はすこしシミュレーション的な意味を含め、ネットカフェにSTK2Fを持ち込んでみました。ネットカフェにあるPCのディスプレイ、マウス、キーボードを使ってSTK2Fを動かしてみるテストです。

行ったのは「快活倶楽部」という、郊外型のネットカフェで、個室にデスクトップPCがありました。当たり前ですね、ネットカフェなんだから。このデスクトップPCにはキーボード、マウスがUSB接続されていたので、まずはそれを取り外してSTK2Fに接続しました。そして、ディスプレイのHDMIポートに付属品のHDMI延長ケーブルを使ってSTK2Fを接続し、電源にも接続しました。あと、ネットカフェのPCとディスプレイはD-sub端子で接続されていたので、この接続を外しました。そしてSTK2Fの電源を入れると、はい、無事にWindows 10の画面が表示されました。この作業に要した時間は10分足らずでしたが、慣れればもっと早く接続できると思います。

今回はネットワーク接続を自前のWiFiルーターで行いましたが、無料で無線LANを用意してくれているネットカフェも多いので、できればそちらで接続したかったです。

ドスパラ Diginnos DG-STK2F Excel

せっかくなので、Windows 10用のストアアプリ「Excel Mobile」を使って簡単な表も作ってみましたが、ストアアプリということもあってサクサク動きました。ネットカフェのデスクトップPCの本体をSTK2Fに置き換えただけ、という環境なので、完全にデスクトップPCを使用するのと同じ姿勢で、デスクトップPC用のキーボードとマウスを使うことになりましたが、STK2F+Excel MobileはそれがスティックPCであるとか、ストアアプリであるとかを意識させることなく、本格的な作業をすることができました。

今回はSTK2Fの実機レビューなのであまり脱線できませんけど、ストアアプリのExcel、かなり使いやすいですよ!STK2Fも含め、スティックPCにはOfficeはバンドルされないのですが、Windows 10をプリインストールしているものに関してはストアアプリ版のOfficeでかなりのことができます。マクロとかの複雑なものは対応しませんが、短時間で作れるようなレベルの資料であれば十分使えます。

実際にネットカフェでスティックPCを使ってみて思ったんですが、なんとなくネットカフェのPCでMicrosoftアカウントなどのパスワードを入れるのはイヤですし、帰るときもわざわざ履歴を全部消さないと落ち着かなかったりしませんか?実際にはほとんどの場合、ネットカフェのPCは再起動のたびに前任者の履歴を消すようになっているはずなので、過度の心配はする必要がないんですけど、なんか落ち着かないですよね。私だけかな…。

もし重要な作業を出先でしなくちゃならないとしたら、スティックPC+自前のWiFiルーターの組み合わせは安心できるかな、と思います。ネットカフェに限らず、自分用のPC以外を使わなくてはならない場合も同様ですね。また、今回は試用機だったので恩恵はありませんでしたが、いつも使っているソフトウェアやアプリをそのまま出先で使える、というのも強みです。

5.当然耐久テストもやったよ

スティックPCの弱点とされる「高精細動画の長時間再生時の発熱による性能低下」について、前回のSTK1のときと同様、試してみました。Google Chromeを使い、YouTubeの動画のうち、1080pのもの、720pのもの、そして360p程度のものを取り混ぜて3時間くらい連続再生してみました。本当はもっと高精細のものを使うべきなんですけど、実際の利用シーンとしてはこんなものかな、という気もします。

結論として、やはり筐体は熱くなりましたが、STK1のときのように「さわれないくらい熱い」ということはありませんでした。当然動画再生にも支障は出ていません。ところで、私がこれまでスティックPCを試用した経験の中で、よく言われる「熱による性能低下」に直面した経験はありません。本来はそれが発生するまでスティックPCに負荷をかけ続けるべきなのかもしれませんが、私としては常識的な使い方をして不具合が起きないものを、「不具合が出るまで許さない」的なところまで検証する必要はないと思っています。ただ、STK1とSTK2Fの発熱状況を比較すると、もし熱による性能低下が起きるまで追い込むとしたら、冷却ファンのないSTK1のほうが先に限界に達するであろう、とは推測できます。筐体の「熱さの差」はハッキリしていましたから。

テレビだと画面の端が切れる
あと、STK1の実機レビューの際にも触れましたが、テレビに接続する場合、使っているテレビによっても状況は異なると思いますが、画面の隅っこの表示が切れてしまいます(PC用のディスプレイではこの問題は起きません)。私が使用しているテレビは表示を微調整する機能がないので、このまま我慢して使うか、それとも解像度を少し落としてやる(つまりテレビ画面に余白ができる)必要がありました。動画を見るような使い方であればそのままで特に困らないですが、Excelなどきちんとメニューが表示されないと困るようなアプリの場合は解像度を落とすなどの対策が要ります。

6.もはや一家に一台の時代か?

テレビに接続したところ
自宅のテレビにスティックPCを接続して動画を再生していると、いつの間にか家人が集まってきます。私としては実機レビューのためのテスト、ということで使っていたのですが、「あれ見たい」とか「次はこれね」なんてリクエストされたりして、「これじゃテストにならないじゃん」と思いながらもちょっとうれしかったりしました。また、今回はネットカフェに持ち込んでPCとしての作業もしてみましたが、周辺機器とかPC操作に適した姿勢の確保さえできればWindows 10というOSの軽快さもあって、非常に快適に作業ができるということもわかりました。もちろん「スペアPC」としていざというときに備えるというのもいいと思います。「スーパーサブ」って言えるくらいの性能はありますし、保管場所も必要ないですしね。

家庭内のエンタメに、外出時の作業用に、そしてメインPCがトラブった時のスペア用にと、スティックPCってもう「一家に一台」というレベルなんじゃないかな、と思います。だって、これだけ使えて2万円でおつりがくるんですよ!毎度毎度、スティックPCの実機試用はなぜか楽しいんですよね。「今度はこれを試してみよう」なんて考えるのも楽しいですし、こんなに小さいのにちゃんとパソコンである、ということに対する新鮮な驚きにもいまだに慣れません。夏のボーナス、まだ残ってるようなら購入を検討してみてはいかがですか?

7.関連リンク

スティック型パソコン:ドスパラ公式サイト

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コメント

  1. GARAM より:

    我が家のTVは一昔前のタイプで1920x1080pではなく1080iなのですが
    それでも映せるのでしょうか?
    もちろん解像度を低くしてでもOKなのですが。
    ドスパラのサポートに聞いても「わかりません」だったので(^^;)
    もしそのようなテストをしていれば教えていただけるとありがたいです。
    ちなみにノートPCは支障なく映せます。