LiteXim QW-07 - コスパ抜群のノイズキャンセリングBTヘッドホン、独特の没入感を過酷な環境で試しました。これで1万円以下ってマジ?(大枝)

LiteXim QW-07
遅ればせながら、あけましておめでとうございます。大枝(@AUE_OEDA)です。今回はLiteXimという中国発ブランドのBluetoothヘッドホン、QW-07を『思いっきりガチに』使い倒す機会をいただきました。商品ページはこちら。Amazon発送で、2017年1月上旬現在の価格は9,100円です。

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ブランドのWebサイトを拝見すると創業は2006年。AUKEYさんなどと同様、販路を各国のAmazon経由に絞ってスケールメリットも生かしつつ、生産・ロジ・納期を高水準に保っていこう、ってタイプの直売系ガジェットメーカーさんみたいですね。

レビュー対象の製品はLiteXimさんにご提供いただきました。日本国内のAmazon倉庫にあったぶんを、僕の家まで爆速としか言いようのないスピード感でお送りいただきました。御礼申し上げます。

1.スペックと外観

では、まず商品写真とスペックシートを。

LiteXim QW-07

スペックシートは以下の通り(litexim.comよりキャプチャ)。なお技適についてはBTトランシーバー部位において、MRAに基づいた設計認証済との事です(MRA認証による設計番号204-620082/Shenzhen Bestek Electric Co., Ltd./平28年3月24日)。QW-07の型番追記については申請中との事。

LiteXim QW-07

LiteXim QW-07 箱出し
自前の写真だと伝わりにくくてすみませんが、トータルの質感は実売価格を鑑みても、シンプルでイケてる部類ですね。個人的には、側面のアルミ合板が最初からポイント高いです。多少の振動や劣化ごときでは音をブレさせないぞ、回路からハウジングまで全部使いたおして出したい音を出してみせるんだ、という設計陣のプライドがちらりと覗きます。

ヘッドバンドとイヤーパッド表面には薄手の人工レザーが使われており、手触りと頬触りもなかなかのもの。夏場は多少暑そうですが、それはインイヤーパッドなヘッドホンの宿命ですから、逃れようがありません。

これ、ダイヤフラム(振動板の膜)を痛めかねないので本来やっちゃいけないんですが、どうしても確かめたかったので、左右のイヤーパッドを密着させた状態でゆーっくり押し合わせてみました。エア抜けの感触だけで、ハウジングの気密性が相当高めに設定してあるのがわかります。

つまりは電源OFFでただ被っただけの状態でも、工業用のイヤーマフ・サイレンサーのように、相応の遮音性は確保できているというわけです。期待させてくれますね。

デザイン的にヘンな色気を出していないので、通勤時でもカジュアルな私服でもそこそこイケそうなシンプルさは、男性ユーザにとってはかえってありがたいところです。

LiteXim QW-07 メガネ

メガネフレンドリー、なんだそうです

また、売り場ページにある通り、眼鏡をかけたままでしっかり使えるよう計算されています。僕もふだん眼鏡かけてますから、コレがかなりの不安要素でしたけど、全然OK。具体的なグリップ感としては、左右ちょい下前方、眼鏡のツルと干渉しないもみあげの辺りで「ぐぐっ。」とホールドしてくる感じです。

百メートルほど小走りした程度では全くズレる雰囲気はありませんでした。汗かくほどの本格的なランニングに用いるべき製品ではないですから合格点。バッテリーは小型とはいえリチウムポリマー・バッテリーのため、できる限り汗や雨での水濡れは避けるべき製品と考えるべきでしょう。ヘッドバンド部は前方側へオフセット角を持たせてあり、これもスタンダードかつ確実なグリップ性を優先した設計です。

このQW-07に限った話じゃないんですが、耳をしっかり覆ってくれるインイヤー・タイプのパッドを採用したヘッドホンの場合って、ファンデとか化粧品が付いてしまうので、女性が屋外で使っているところ、あまり見た事ないんですよね。実際、売り場ページで用いている写真はほぼ全て男性のモデルさんですし。男性向けセグメントの製品だという一種の割り切りのもと、ほぼブラックで揃えたシンプルデザインは妥当なところなんでしょう。

無理やりひとつだけ難点を挙げるとすれば。アジャスターを最大に伸ばして首にかけるような状態で歩く、というミュージック・ビデオでよく見るスタイルだけがまず無理です。密閉型でインイヤーサイズのパッド、かつグリップ力を重視すべきノイズキャンセリング・ヘッドホンですから、考えてみれば当たり前なんですけどね。

そのほか同梱物として、以下のものが付属。実際に受け取った箱出し状態のものをリストアップしておきます。

・充電用のUSBケーブル(一般的なtype-A→micro-B)
・3.5mmΦオーディオケーブル(長さは150cmほど)
・日本向けウェルカムカード(テクニカルサポートの日本顧客向けメールアドレスとSkype IDほかが記載されています)
・日本語取扱説明書
・オーディオ変換プラグ(3.5mmΦ→6.35mmΦの変換プラグと航空機座席用)
・キャリングケース内部に固定可能なケーブル収納ポーチ
・キャリングケース

今回、けっこうハードな場所でもロードテストを行っているので、最後に挙げたキャリングケースが大活躍することになりました。

LiteXim QW-07 ケース
脇に置いたCDから見て取れる通り、収納状態でもかなりのサイズです。ハンドバッグに入れて毎日持ち歩くとかは想定外ですね。旅行や出張で新幹線や飛行機に乗る際、ナップザックや機内持ち込みのカートに放り込んでおく、という使い方が主に予想される感じでしょう。軽さはケースとケーブルぜんぶ込みで実測482gでした。本体単体は実測236g(スペックシート上では238.5gでしたから正直な数字です)。

2.仕様ざっくり

スマホとの接続はBluetooth 4.1ベース。音質の向上のために、Android/iOS機ともに広く実装されている、クアルコム(旧CSR)apt-Xコーデックを採用。このあたりは堅実かつベーシックなBluetoothヘッドホンのスペックですね。

今回のロードテストに用いた私物のASUS Zenfone Live(Android 6.0.1のZenfoneエントリー機)では確認していませんが、OS側さえ対応していればヘッドホンの電源残量もスマホ側から確認可能との事です。

端子類とその配置については、図で見たほうが早いので、ぺたり。

LiteXim QW-07 化粧箱

非常にわかりやすいので箱の裏をスキャンしてきました

実際に使用するモードとしては、

1.アクティブノイズキャンセリング(ANC)だけを効かせる
2.BT接続でスマホの音楽を聴く
3.ステレオピンプラグ接続で音楽を聴く
4.BTまたはピンプラグ接続で音楽を聴きながら、ANCの効果も同時に活用する
5.一般的なBTヘッドセットと同様に、スマホ経由で電話の送受話に用いる

その他、ステレオピンプラグを使って有線接続した状態で、ゲーム実況などの収録なども可能でしょう。Bluetoothはどうしても遅延が出てしまいますから、ゲームだけでなく、PCで映画を再生してじっくりと音響を味わいたい、などの場合は有線接続が最適解となるはずです。

操作性に関しては、左にマルチファンクションボタン×1と、右にアクティブノイズキャンセリング(以下、ANC)モードのON/OFFスイッチ×1というシンプルさ。音量調整はポケットのスマホに手を突っ込んで直接、という感じになりますので、ここは使用シーンによっては好みが分かれるところですね。

僕はボタン類の少ない方が耐久性とクリックノイズ対策の2つを両立できて良いと考えます。こういう商品であれば、ハウジングを触らないで済むに越した事はないですから。

細かい操作法については、マニュアルを見ていただいた方が早いですので、実際に付属していたものをスキャンして貼っておきます。
LiteXim QW-07 取説 表

LiteXim QW-07 取説 裏

クリックで拡大します

充電時間は標準3時間とされており、リチウムポリマーバッテリーを採用している都合上、『初回はプラス1時間程度オマケしてください』という趣旨がマニュアルにも明記されています。

実はこれ結構重要なはずです。初回充電時にユーザー側で満充電する環境において、QW-07内部にある過充電防止回路がきちんと作動するかのチェックをしてください、という意味もコミコミの記載なんだろうな、とぼくは受け取りました。

リチウムポリマー・バッテリーを雑に扱った場合にどうなるか、皆さんもよくご存知でしょうから書きませんが、付属のケーブルを使って、標準的なUSB 2.0の電源出力だよと信頼できている充電器、またはPCポートから充電すべきでしょう。

今回は愛用しているANKER PowerPort 6 Liteを使用、満充電状態で何度かケーブルを抜き差しし、満充電状態であれば十数秒でQW-07側のインジケーターが消灯状態になる、というのを確認しました。これで安心してロードテストへと旅立てます。

3.ロードテスト1:雑踏のなか大声が響き渡るコミックマーケット3日目

LiteXim QW-07 ビックサイト
……というわけでやって来ました、12/31の東京ビッグサイト。そのスジにはお馴染みコミケ3日目ですね。おっかない話ですが、1日当たり20万人ほどが来場してしまう巨大イベントです。ちなみにこの写真を撮った段階で、QW-07本体が届いてから24時間経ってません。

デビュー戦としては余りに過酷で最高すぎませんかこれ、と内心高笑いしながら、安全にロードテストできそうな場所をセレクト。

LiteXim QW-07 コミケ東館***
数千人単位の喋り声が混ざり合って反響して、とにかく異様にやかましい東ホールの上部通路を往復。まずはノイズキャンセリングのみの性能と設定を確かめてみることにしました。

被ってフィット状態を確かめ、右側面のANCスイッチを上にカチッ。これでノイズキャンセラーのみの動作モードになりました。

……。
…………えっ?

なにこれ、スッゲー!

まず、混ざり合って単なるノイズになっている遠くの話し声が、2~3割ほどに軽減されているコトに気付きました。コミケ経験者の方はご存知の通り、目の前と階下の通路に数千人単位の人間が縦横無尽に行き来する中、それぞれ叫ぶぐらいの声量で意思疎通するしかないよーな環境ノイズなんですが、このゴワワワワーッというノイズだけ『ぐりっ。』とボリュームが下げられた状態で耳に届きます。

そして、競合製品と同様に『必要な声』は聴こえるという設計です。3メートルほど先でカートバッグを倒してしまった女性がおられたんですが、「あっ!」という悲鳴、カートの持ち手が床に叩きつけられる音、すいませんと謝る声……という感じでちゃんと聴こえるので、見える前から気付いて歩くスピードを落としつつ回避。

揃いの帽子を被ったスタッフさんが階下で叫ぶ『担架が通りまーーーっす!』だの『エスカレーターは立ち止まって降りてくださぁい!』という絶叫、こういった声もちゃんと聴こえます。

ついでに言うと、すぐ後ろのオタクカップルが『デレマスの島村卯月さんは、18禁同人誌の世界で幸福になる方法が本当にあるのだろうか?』という絶望感に満ちた会話をしていました。やかましい環境下でも、至近距離での会話ならワードはそこそこ拾える、という感じですね。

アクティブ式のノイズキャンセルヘッドホンですから、設計次第では全領域の音を低減してしまうことも可能なんですが、それは危険なので主に会話領域の周波数は素通りさせて、バックグラウンドのみ逆位相の音を被せてざっくり削る……と事前にググってはいて、仕組みだけは知っていました。文面で仕組みだけわかっていても、ガッツリ体験すると不思議な感じですね、これ。

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結構ビックリした状態で1往復し、そのままアホ面晒しつつ喫煙所そばで十数冊の同人誌をサイズ別に並び替えていたんですが……。静かすぎて『ここは個室か何かに違いなかろう』とでも脳が誤解したのか、結構な大声で独り言を叫んでしまう、という失態をカマすに至ります。

「やっべ、○○先生が表紙の資料本買いそびれた! 委託待つしかねぇか、ちっくしょー!」

……とかそんな感じの。この段階で恥ずかしさが爆発したのと、慣れないガジェットを着けて危険なイベント会場を歩くべきではない、という大原則に思い至ったのでテストは終了。お友達のサークルの後片付けをちょっとだけ手伝って帰路につきました。みんなよいお年をー。

4.ロードテスト2:想定されるキツめの環境で音楽を聴いてみる

QW-07のようなノイズキャンセリング・ヘッドホンが一番ポテンシャルを発揮できるのは、常時やかましいご自宅での音楽鑑賞だろうな、と想定。年が明けてすぐに地図でアタリをつけておき、テストにもってこいの場所を見付けました。

こんな感じで高速道にかかる橋の上で、設定を変えつつ同じ曲だけを聴き続けてみます。

LiteXim QW-07 橋

こういうところで試してみました

眼下にはUターンラッシュをちょっと外した夜の高速道。憎たらしいことに順調に流れており、多種多様なロードノイズが大きさもバラバラに響き続ける、そんな環境です。

LiteXim QW-07 サントラ

高校の頃から聴いてきた音源で試します

試聴曲はこれまたオタクなコレクションで申し訳ないんですが、ずっと昔から聴き慣れた川井健次氏の劇伴音楽を。調べてみたら発売が1993年のCDです。ずっと追っていた作曲家さんなので、当時の制作環境を関連書籍で読んでいた、というのが選んだ理由になっています。

現在のようなDAWシステム(に近いもの)はマスタリング直前の段階まで使えず、基本的にコーラス・パーカッション・ストリングス等の各要素をいったんスタジオで各パート毎に収録してサンプリング、いわゆる『打ち込み』ベースのものが最終的なミックスで完成をみる、とかそういう時代の映画音楽ですね。

これだけアナログ要素が含まれていて、さらに文字通りありとあらゆる環境で聴き続けてきた音源ですので、何かヘッドホンに起因する違和感が発生すれば、いくら素人の耳でも気付いてしまうだろう、という目論見です。

試聴コミでのロードテストを行う場合の条件については、おおむね以下のように統一しました。

1.再生ファイルのフォーマットは2種。原則としてCDから再リッピングを行なっています。
 ・MP3ー256Kbps(自宅ライブラリのデフォルト設定)。
 ・いわゆる無圧縮のWAV(44.1kHz/16bit、気になる環境でのWチェック用)。
2.Android上でのプレイヤーは使い慣れたDoubleTwist Playerで統一。
3.イコライザーの干渉は完全排除。具体的に言うと、DoubleTwistのアプリ内イコライザーも、Zenfone(Zen UI)デフォルトのイコライザーもOFFにした状態で試してゆきます。

なお、FLACデータもいちおう用意しましたが、再生アプリを統一しなきゃダメだろう&準備段階でも無圧縮WAVとの違いが全く聞き取れなかった、という理由でロードテストでは使用していません。面白そうなフォーマットではあるんですが。

直近のコンビニ駐車場から歩きつつ、まずは現場の環境騒音を耳でじっくり。

……うん、こういう騒音の中で暮らしなさい、って言われたら慣れるまでずーっと寝不足が続きそうです。自動車の接近音ってけっこう警戒アンテナに引っかかるようなところ、あったりしますよね。

そのまま、以下6パターンで同じ曲を通しで6回聴いて、ザーッとメモに殴り書きしてフィーリングをまとめてゆきます。

A: MP3,音量7割,ANCなし
B: WAV,音量7割,ANCなし
C: MP3,音量7割,ANC有効
D: WAV,音量7割,ANC有効
E: WAV,音量最大,ANCなし
F: WAV,音量最大,ANC有効

寒すぎて封を切ったばかりの缶コーヒーがどんどん冷めてゆきますが、気にせず続行。音量そのものは個人的な許容限界もあるでしょうが、ぼくは普段、イヤーパッドをカスタムしたカナルタイプ・イヤホンで音圧バリバリなモードで聴きたがる人間ですので、周囲に騒音源がある場合でも音圧でごまかして聴いちゃうんですね。むしろ周囲の騒音を入れたくないがために、爆音で聴き続けてきたフシがあります。

QW-07で音量7割設定、となるとぼく個人の基準ではそうとう音圧低めになるんですが、おそらく一般的な音圧であろうこのぐらいで、爆音で聴いていた時と同じぐらいに『演奏の細やかさ』を聴き取れるような感触があります。

これはちょっと独特の没入感があって、「なにこれこわい!」というのが率直な第一印象でした。もちろんいい意味で。感覚だけで結論付けると、ANCが入る以上は無圧縮WAVはたいして意味も意義もなく、また音量控えめのほうが味がある、というコトでCの『MP3,音量7割,ANC有効』というセッティングが一番収まりが良い、と感じました。

音量最大にしてしまうと当然、ANCによる効果がわかりにくくなって、却ってもったいなさすら感じはじめる始末です。普通の人は環境ノイズを音圧で上書きしてごまかす、なんて音楽の聴き方していないでしょうし、だからこそノイズキャンセリング・ヘッドホンが必要とされてきたんだ、という商品の成立条件にも気付かされました。

5.ロードテスト3:通勤電車での使用を想定して、手持ち音源を聴き倒す

LiteXim QW-07 電車
日を改めて、半日ほど使ってバッテリーの保ちを見つつ、タイプや目的がまるで違う音源をいくつか用意。通勤時にいつも音楽を聴いている、というユーザーを想定して試していくことにしました。

テストに使った路線は武蔵野線の西船橋→府中本町間を含む大回り、3時間半ぐらいののコースです。ぼく自身が埼玉方面で研修やお叱りを受けるため、ちょくちょく武蔵野線は乗ってきましたが、線路は貨物列車も高速走行させるタイプのガチガチなセッティング、電車そのものも『良くて山手線のお下がり、あるいはそれ以下のボロさ』という、首都圏JR屈指のハードコア鉄道とでも言うべき通勤路線です。普段乗るときは絶対に選ばないであろう、モーターが足元にある車両をあえて選んでスタート。おお、乗った瞬間からやかましい……。

LiteXim QW-07 地図

旅程はトータル三時間半ほど

128GBのSDカードに溜め込んだお馴染みの曲を流しつつ、ANCのオンオフを繰り返し、除去されるノイズとそうでないノイズを聴き分けてゆきます。

人間の話し声に近い中域の音はそのままですから、音量を上げていない限りは車内アナウンスもそこそこ聴き取れますし、また除去出来そうな低域高域の音であっても、車輪がレールの継ぎ目で突き上がる低音や、カーブでレールが擦れる甲高い音といった突発的かつ大きなノイズは当然除去されません。あくまで、ANCが電子的に除去する音はその場で響き続ける環境ノイズだけというのが、よくわかります。

ただし、QW-07はハウジングとパッドによる遮音効果もしっかりと狙った、インイヤーパッド式のヘッドホンです。音源となるドライバーユニットも相応に大きめである以上、きちんとフィットさせて『普通のヘッドホン』として使った場合でも、かなり音楽に没頭できる造りと言ってかまわないでしょう。

LiteXim QW-07 カフェ
「こりゃぁ気持ちいいなぁ、溺れるなぁ」

……という印象が、偽らざる感覚です。乗り換えや駅ナカの喫茶店で外したとき、急に現実世界のやかましさが戻ってくる妙な感触まであったりします。

旅程のラスト15分はQW-07を装着せず、乗り慣れた路線で現実感を取り戻さないと後々シンドいんじゃないか、などと下らない想像をしながら、最後に車内アナウンスが聞こえる程度の音量に調整し、高速道の上で試したのと同じMP3ファイルとWAVファイルを聞き比べます。

正直この環境で、このフォーマットによる違いをブラインドテストで聴き分けられるヒトが居たら、耳がもったいないから電車通勤なんかしてないで音響系のお仕事探してください、というレベルでしょう。まずわかりません。

ANCオフなら微妙な違いが環境騒音にかき消されますし、ANCオンなら逆位相の音がソース音とミックスされた状態になる設計上、若干丸まった音に組み直されて耳に届きますから、やっぱり違いがわからない。

そういう意味では、『作曲家や歌手、マスタリングエンジニアが意図した通りの音で楽しみたい』……という昔ながらのオーディオ好きからは、邪道と見られがちな製品かも、という側面はあるでしょう。

とはいえ、音楽はシアタールームのような環境だけでなく、もはや日々の暮らしの中で触れてゆく機会のほうが多いハズです。ウォークマンからはじまり、iPodを経由して現在のスマホへと進歩し続ける音楽と家電の関わりのなか、ノイズキャンセリング機能付きのヘッドホンが魅せる独特の没入感は、正当な進化形のひとつと言い切って問題ないでしょう。

しっとりとした歌声に触れては青春のつまづきを思い返してブルーになってみたり、あるいはコントラバスの響きに乗せてイヤな仕事へ立ち向かう勇気を奮い立たせたりと、スマホで音楽を聴くことで、ユーザーが引っ張り出すエモーショナルな『何か』は、人物×音楽×環境の全部を累乗した数だけ存在し、とっくの昔に日常の一部になって久しいですよね。

今回触れたQW-07は、そういった『生活のなかにある音楽』へと、いつものヘッドホンより更にもう半歩、テクノロジーの力でググッと近寄って没頭していける、そういった没入感を味わえる製品なのは間違いないでしょう。

ついでに言えば、コスパはかなりのものじゃないかと思います。1万円以下でこんなエエ思いさせてもろてホンマにエエんですか? と(何故か上方あきんど口調)。

6.おまけテスト:めちゃくちゃ静かな環境だとどうなの?

最後になりますが、『じゃぁ、メチャクチャ静かな夜の3時ぐらいに、アホみたいに静かな自室でANCオンオフしつつまま何か聴いてみよう』……という、商品コンセプトを真っ向から無視してのフィーリングも確認してみました。

音源として選んだのが、よりにもよって、これ。条件同じになるようこれまたリッピングやり直してSDカードに入れておきました。

LiteXim QW-07 CD
ジャケットのあざとさからお察しでしょうが、コンシューマー機ギャルゲ原作のドラマCDですね。ハイそこ、引かない引かない。大好きな音源ですから開き直らせてもらいますよ?

除去すべき環境ノイズがファンヒーターの音ぐらいしか見付からない環境で聴いてみれば、ANCオン状態での『丸まった音』にやはり違和感が出ます。外では環境ノイズが大きくて気付かなかったであろう、薄ーいフィルターが1枚見える感じにはなるのです。

設計下限を越えてノイズを拾おうとしている為か、ノイズ検出用のマイクに乗っちゃったであろう回路由来の何かが、逆位相の音としてほんの小さく出る事もある、という。

もはや印象どころかフィーリングだけで探るレベルになっちゃいますが、声優さんが全身全霊をかけて『めったくそ可愛いキャラ』を表現してくる中、ANCがそのアクティブっぷりを隠せなくなってしまっている、という感触です。

ミもフタもなく言っちゃえば「せっかくの佐藤利奈ボイスなんです! 妙な混ぜモン抜きたい! ANC切っていいスか隊長ォ!」って混乱するカンジに。ANCオフで聴き直して「うん、可愛い。良い!」と正気を取り戻しました。

当たり前すぎるオチですが、雑音のほとんどない環境でANCをオンにしちゃうと、まったく意味ないどころか却ってジャマになります。

なお、同じトラックの同じ見せ場を、電車内で聴いたときの臨場感と没入感は、ANCオンのほうが艶っぽく感じた……という個人的感触も偽りなく書き添えておきます。真実に恥ずかしさを感じてはいけない。

7.まとめ

使い倒すなかで気付いた良し悪しについて、繰り返しておくとこんな製品といえます。

◎なポイント
・アンダー1万円の製品でこのレベルだと、コスパ最高では?
・ANCオン時の独特な没入感は体験の価値アリ!
・普通のヘッドホンとしてプラグ接続で使っても、素直な音で大変よろしい。

×なポイント
・ケース付いてくるし軽いけど、通勤鞄にレギュラー配備はかなーり難しいサイズ。
・バッテリーの保ちはいいけど、LiPOバッテリーなので悪天候と水濡れ厳禁!
・構造上、首掛けスタイルはNG。着けるかしまうかどちらかしかない。

正直アンダー1万円の多機能BTヘッドホンが、このレベルにまで来ちゃってるとは思ってもみませんでした。正直、友人の家で体験していたらその場でAmazonにアクセスして買っちゃったかもしれない出来とコスパなもので。

普段使いのカナルイヤホンもこれはこれで好きな爆音なのですが、また違ったアプローチと質感で聴かせてくれるQW-07、長距離移動のお供としてほぼレギュラー入りです。着替えのシャツ1枚削ってでもカートバッグに入れておきたいですね。

8.関連リンク

LiteXim ワイヤレスヘッドホン QW-07:Amazon

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Comment

  1. Shukaku より:

    これはポチりたくなるレビューですなぁ。ノイズキャンセリングイヤフォンは使っていたのですが、インイヤータイプは未経験…。そうか、すごいんですね…。で、卯月ちゃんとかパトレイバーとか、本題以外の部分もツボでニヤニヤしつつ拝読しておりました。(*^_^*)

  2. ありがとうございまーす。実はパトレイバーのサントラCDは、監督のサイン入り。

  3. なお より:

    coby(父さんしました)の安物使ってる身分としましては、没入感が理解しかねますがw

    これだけは言えます、ガンダムサンダーボルトのサントラも聴きましょうw

    • えっと、ガサラキOSTとバンダイビジュアルコンピ版収録のOP/EDコレクションじゃ駄目でしょうか?(深刻な宗教論争を巻き起こしかねない発言)

      • なお より:

        ガサラギはアニズムというかイデオロギー色の強い音楽が多いかった気が‥
        種ともこさんの歌がよかったくらいしか覚えてないw

        パトレイバーといい、ああ、のびて広がっていく系の音楽がいいんですね
        あれくらいの年代だと、ラーゼフォンとかも好きじゃないですかねw

        サンボルはジャズだから系統的にむりか…(´・ω・`)
        だとすれば最近のだと、
        メイドインアビスのOST聞きましょう

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